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私たちの活動

【ミャンマー洪水】生計手段の再建に向けて農地整備を支援

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は11~12月、マグウェ地域プウィンビュ郡の20村を対象とした洪水被災者生活再建支援の一環として、被災した農地の再整備を実施しました。
今回の洪水では1~3mほど浸水したところも多く、耕作中あるいは収穫直後の農作物は全て流されてしまい、村民のほとんどが多大な経済的打撃を受けました。農地も水没により荒廃したためすぐに植え付けができるという状態でなく、農家である地元住民の多くは生計手段を奪われてしまいました。
PWJは、被災した住民の中から特に経済的に困窮している農家606世帯(被災農地約5606エーカー)を対象に、再耕作の支援を実施しました。荒れた土地を牛により再び耕し、洪水で流されてきたごみ集めや雑草取り、新しい種の植え付けをするための労働者として、洪水被災者を雇用し、彼らが現金収入を得る機会を提供しました。また、耕作に必要な鍬や犂などの農耕具、速成性のある豆類(ヒヨコ豆、ライ豆、エンドウ豆など)の種子、そして土壌や作物に合った肥料を配布しました。現在は、多くの農家が作付けを終わらせ、彼らの収入源となる農作物の栽培を再開することができています。

ミャンマー
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写真上:肥料を受け取る住民(キン・テ村)
写真左下:牛による農地整備が進む(ユワー・ティッ村)、同右下:事務所から各村へ送られる農耕具

20村のうち、チュン・ピン・シン村で妻、義母、息子、娘と暮らしているアウン・コー・テーさん(34)は、「今回の洪水で、育てていたゴマが全て流されてしまいました。この数か月、生活は苦しかったですが、これで(流失してしまった作物を栽培する際に背負った)借金も返せるし、家族も安心して暮らせます。本当に感謝しています」と笑顔で話してくれました。

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落花生の種を受け取るアウン・コー・テーさん

この事業を実施するにあたっては、支援世帯の選定や事業進捗の管理を行うために各村で住民が互選により結成した災害支援委員会(各村12名)と、事業実施の補佐の役割を果たす村ボランティア(各村1名)の存在が欠かせません。ユワー・ティッ村のボランティアとして事業現場に足を運び、進捗状況を確認するキン・タン・ヌエさん(36)は、「人と接するのが好きで、ボランティアの仕事を引き受けました。人の役に立てているのが感じられてうれしいです」と話してくれました。ほかのボランティアやその家族からも、この仕事を誇りに思っている、という声が多く聞かれました。事業終了後、村でのさまざまな活動でもこれらの経験が活かされると期待しています。

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村ボランティアをしているキン・タン・ヌエさん

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肥料を村に送付するために事務所に集まった災害支援会メンバーと村ボランティアたち

PWJは、農地整備支援に加え、洪水で破壊されたトイレの再建や衛生キットの配付を通して洪水被災地の衛生環境の改善にも取り組んでいます。
この事業は、ジャパン・プラットフォームの支援を受け、現地のパートナー団体であるHelpAge Internationalと協力して実施しています。
▼関連リンク
住民参加による事業実施の計画(2015.11.4)
マグウェ地域でも復興支援を開始(2015.9.15)
イラワジ地域、カレン州で復興支援開始(2015.9.1)
救援活動用にソーラーランタン420台配布(2015.8.10)

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