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私たちの活動

157匹の子豚を村へ届けました!

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、2008年5月にミャンマーを襲った大型サイクロン「ナルギス」の被害を受けた、エヤワディ管区ボガレ地区マグー郡の2つの村に住む農地を持たない村人を対象に、子豚の配布を行いました。村人にとって、子豚などの家畜は、農作業がなく収入がない時期の重要な収入源です。村人の半数以上は豚を育てた経験があり、子豚を増やし、売ることで収入を得ていましたが、サイクロンの時にそのほとんどが死んでしまったのです。2008年9月にPWJスタッフが村で調査を行ったときも、村の人たちが自分たちの生活を立て直すのに必要なものとして挙げたのが子豚だったため、今回の支援を実施しました。

子豚を村人に手渡すPWJ現地代表の斎藤

子豚を村人に手渡すPWJ現地代表の斎藤
(C)PWJ/Hiroko Takahashi

PWJスタッフは、2カ月以上前から、子豚の購入、輸送方法などを入念に調査し、手配を進めてきました。養豚場のオーナー、畜産局や、ミャンマーですでに子豚を配布した経験のある他のNGO、国際機関などと、どのように子豚を村まで運ぶのが一番子豚に負担をかけず、効率がいいのかを相談し、計画を立ててきました。
そしていよいよ、子豚の旅が始まりました。
2月14日早朝4時30分、養豚場の職員とPWJスタッフが選りすぐった健康な157匹の子豚は、まだ暗い中トラックに載せられ、ヤンゴンから車で3〜4時間離れた養豚場からヤンゴン港を目指します。日が昇ってからトラックで子豚を輸送すると、暑さで子豚が衰弱してしまうため、早朝のこの時間か、夕方からの移動しかできないのです。

子豚、トラックへ

子豚、トラックへ
(C)Peace Winds Japan

午前8時30分、子豚たちの載ったトラックは無事ヤンゴン港に到着。ここからは村まで長い長い船の旅です。潮の関係で船がヤンゴン港を出港できる時間が決まってくるため、子豚は船に移され、のんきにエサを食べながら出港を待ちます。
午後2時、船がヤンゴン港を出発しました。一番目の村、マグー郡のダーマラキタ村に子豚の船が到着したのは、翌朝9時。次の村、イェーチョーカ村に到着したのは、午後1時を回っていました。子豚たちの生まれ故郷から村までおよそ33時間の旅。「他の団体が子豚を配布した際は、もっと時間がかかってしまい、疲労やストレスにより子豚が村に着くまでに何匹か死んでしまったこともあった」と聞いていたので心配していましたが、PWJの子豚はすべて元気に村に到着しました。船の中で、子豚はエサをもりもり食べてお腹一杯になった後、すやすや寝ていたようです。しかし、養豚場からずっと同行してきたPWJスタッフはほとんど一睡もできなかったと言います。

豚の配布をお手伝い

豚の配布をお手伝い
(C)PWJ/Hiroko Takahashi

村での子豚の配布は大変な騒ぎでした。逃げ出そうとする子豚、その場を動こうとしない子豚、暴れる子豚。子豚の重さは約15kg。じっとしない子豚を家まで連れて帰るのに、村の人たちも一苦労です。

手渡された子豚

手渡された子豚
(C)PWJ/Hiroko Takahashi

子豚を配布し終えたPWJスタッフは、しばらくしてから家へ様子を見に行きました。
長旅で疲れたのかおとなしく寝ている子豚、すっかり落ち着いて庭先でエサを食べている子豚と、スタッフの心配をよそに子豚はどこまでものんきです。養豚場で大事に育てられた「箱入り」子豚の長い旅が終わりました。村の未来のため、すくすく育ってくれますように。

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