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私たちの活動

学校・道路などの修復へ被災の村で調査

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、8月末までサイクロン「ナルギス」被災者への生活物資配給を行ってきました。しかし、まもなく被災から5カ月を迎えようとしている現在でも、人びとが暮らす村では、いまだに学校の建物が直っていなかったり、道路が冠水していたりするところも多く残っています。そのためPWJでは、これまでの支援地域の中でもさらなる支援の必要が高い村を選び、学校や道路といった社会生活基盤(インフラ)の修復などの活動を継続していくことを決定しました。9月からはスタッフが被災地に泊りがけで出張し、そのための調査を進めています。

PWJが事務所を置くヤンゴンから被災地までの交通事情は良いとはいえず、できるだけ円滑に調査ができるように、あらゆる手段を用いて現地まで移動しています。これまで車で何時間もかけて移動していた地域に入るときには、時間を短縮するため、国連が運航するヘリコプターを使いました。また、ヤンゴンから遠く離れた村落部で、車での移動もままならない所では、ボートを利用したりしています。

国連が運航するヘリコプター

国連が運航するヘリコプター
(C)PWJ/Hiroko TAKAHASHI

今回は2泊3日でディディエ地区の調査に行ってきました。ディディエ地区の南の外洋に近いところに位置するドン・ヤン村は、PWJが物資配給の打ち合わせに行った際にも、村までたどり着くのにとても苦労した地域のひとつです。村の手前まではオートバイでたどりついたものの、その先の悪路は徒歩での移動になりました。道が途中で水没してしまっているため、スタッフが全員サンダルを脱いで、膝まで水に浸かって進まなくてはいけないところもありました。

水たまりの中を徒歩で移動村の人たちも移動に苦労している

写真左:水たまりの中を徒歩で移動
写真右:村の人たちも移動に苦労している
(C)Peace Winds Japan

こうして苦労してたどり着いた村で、さっそく村人の意見を聞くことにしました。村での調査では、人びとの暮らしを支える女性たちの意見を吸い上げることが大変重要です。しかし、女性たちは男性たちの前ではあまり口を開いてくれません。そのためPWJは、男性と女性とを分けてインタビューを行いました。男性の前ではなかなか発言しない女性たちですが、女性だけになるといきいきと話し出すのです。PWJのミャンマー人スタッフがひとつ質問すると、いろいろな意見が飛び交い、とてもにぎやかです。興味深いことに、彼女たちが話す村の状況は、その多くが男性たちの考えとは異なる視点からのものでした。

村の女性にインタビューするPWJ人スタッフ、ナインナイン・アウン

村の女性にインタビューするPWJスタッフ、ナインナイン・アウン(C)PWJ/Hiroko TAKAHASHI

男性たちに村人が抱える問題を尋ねると、「食糧がなくて大変困っている」という意見が多く出されました。しかし、女性たちからはそのような声は聞かれません。「食糧は十分ではないが、なんとかやりくりして暮らしていける」との答えが返ってきました。男性たちが知らない間に、足りないものもいろいろあるなかで、女性たちは工夫しながら生活していることがうかがえます。

たくましい女性たち

たくましい女性たち(C)PWJ/Hiroko TAKAHASHI

このような人びとの声に耳を傾けながら、村人たちにとって本当に必要な支援を届けられるように、PWJは今後もさらに調査を進めていきます。

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