ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

災害緊急支援

Readyservice

2019.9.5

【モザンビーク】サイクロンが直撃した日の話

モザンビーク 災害緊急支援

現在、農業コーディネーターとして、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)と一緒に働いているナルシーゾ・マデイラさんが、サイクロンが直撃した日の話をしてくれました。

サイクロンが直撃した日のことを話すナルシーゾさん

目を覚ますと、水に浮いたベッドの上で寝ていた

3月14日、サイクロンがソファラ州に上陸しました。
当時僕はソファラ州ニャマタンダ郡に住んでいました。天気予報では、サイクロンはソファラ州の北部を通ると言っていたので、あまり深刻にとらえていませんでした。
雨は止むことなく、降り続いていました。
3月16日、朝3時頃に「起きて、ナルシーゾ!」という家族の声で起きました。
ベッドから飛び起きると、家の中に水が浸入しており、水位は膝まできていました。
なんと僕は、水に浮いたベッドの上で寝ていたのです!

家族は「急いで外に避難しよう!」と言いました。
僕は「パソコンはどこ?パソコンを持っていかなければ!」と言いましたが、
「パソコンを探している時間なんてない!置いていきなさい!」と家族に言われ、泣く泣く諦めました。

屋根の上に12時間

急いで、家の屋根に上り、屋根の上で雨が止むのを待ち続けました。屋根の上に上ってから12時間後、ようやく雨が止みました。

しかし、避難しようにも、どこに避難をすれば良いのか全く分かりませんでした。屋根から下りると、水位は僕の肩まできていました。ふと横を見ると、今までに見たことのない大きさのヘビが浮かんでいました。周りの人はヘビを恐れて、一斉に水に潜って隠れていました。

避難と決死の救助

僕たちは家の屋根の上にいましたが、道を挟んだ反対側に、木につかまっている親子が見えました。道は浸水して川のようになり、孤立してしまっていたのです。

流されるのが怖くて、誰も助けに行けませんでした。見るに見かねた僕は、木まで泳いでいきました。
子どもを渡すように言ったのですが、男性は「自分も一緒でなければ子どもを渡せない」と言います。
二人とも助けるからまずは子どもを渡すよう説得し、子どもを連れて行きました。戻ると男性はパニックに陥っており、僕は男性を助けようとしたものの、僕も一緒に溺れそうになりました。僕は男性から離れて、ロープで彼を引っ張って助けました。

そんな時、やっと1台の救命ボートが来ました。

目の前で溺れ、亡くなった子ども

「子どもを優先に!」とのことで、まずは小さな子どもたちをボートに乗せました。定員は25名でした。でも子どもだけで50名はいました。
ボートは子どもで溢れかえっている中、助かりたいという女性5名が無理やりボートに乗りました。ボートは出発したものの、少しして、定員オーバーが原因で転覆しました。女性たちは慌てて、ボートにつかまりました。ただ、ボートの下敷きになった子どもたちは全員亡くなってしまいました。

自分の家から少し歩いたところに幹線道路があるのですが、そこは浸水していなかったので、僕はそこまで行こうと決心しました。
でも、そこまで行くには、洪水で濁流が押し寄せ、川のようになった道を渡らなければなりません。多くの人が、少しでも安全な場所を求めて、高台にある幹線道路に行こうと、川となった道を渡ろうとしています。

僕たちはグループを作って、対岸から降ろされたロープを掴もうとしていました。その時、ある男性が僕に叫んできました。

「子どもを連れて行ってほしい」
と。
急流のようになった道路の水位は、150センチ以上になっていました。僕は身長が高い(180センチ)ので、子どもが助かると男性は思ったようです。
男性と話している最中も、少しずつ水位が上がっていきます。

僕は「とても危険なので、無理だ」と言いました。
しかし、男性が涙を流しながら懇願してきました。
それを見ると僕は断ることができず、子どもを預かりました。なんとか無事に、高いところにある幹線道路にまでたどり着きました。
僕と子どもに続いて、男性もたどり着くことができました。

被災から1週間後もまだ道の水が引かない様子(ニャマタンダ郡)

被災から1か月後、孤立された地域にボートを使ってアクセスする様子

被災者のために、何かしたい
たくさんの人が亡くなり、流されているのを僕は見ました。こんなに悲しい出来事は今までにありません。この経験は一生忘れられません。

その後、僕は被災者のために何かしたいと思い、仕事を辞め、モザンビークキリスト教評議会(CCM:PWJの提携団体)で働くことに決めました。
今、PWJのプロジェクトで被災者の方々のために活動することができ、非常に誇らしく思います。」

ナルシーゾ・マデイラさん(右から3番目)
物資配布をリードするナルシーゾさん

ソファラ州ニャマタンダ郡は、被害が大きかった地域の一つで、多くの地域が浸水しました。

被災地には被災当時のショックで、心に傷を負った人たちが数多くいます。PWJの提携団体スタッフも、被災者です。それでも前向きに、地元を立て直すために行動したいと働く彼らと共に、被災者の方の心に寄り添いながら、PWJは支援を続けていきます。

本事業は、ジャパン・プラットフォームの助成金と皆様からの寄付によって行われています。継続的な支援を実施するために、皆さまからの温かなご支援・ご協力をお願い申し上げます。

========================
■クレジットカードでの受付




 

■郵便局でのお振込
口座番号:00160-3-179641
口座名義:特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
通信欄 :「モザンビーク サイクロン 被災者支援」と明記してください。
 
■銀行でのお振込
三井住友銀行 青山支店
口座番号:普通 1671932
口座名義: 特定非営利活動法人 ピース ウィンズ・ジャパン広報口
 
※通信欄に、「モザンビーク サイクロン 被災者支援」とご記入ください。
 
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は2014年12月、広島県より「認定NPO法人」として認可されました。これにより、PWJへのご寄付は、寄付金控除の対象となります。くわしくは寄付金控除(認定NPO)についてをご覧ください。
 
※様々なサポートをするためにご寄付のうち最大15%は運営費(事務所の管理運営費、調査・提言活動のための費用など)として活用させていただきます。また、今回の支援が終了した場合、今後のレスキュー及び被災者緊急支援の準備に活用させていただきます。

一覧へ戻る

ご支援・寄付のお願い

寄付控除について