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私たちの活動

【東北支援】被災ペットの保護施設整備事業が完了

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、東日本大震災による福島第一原発事故の影響で住民の避難が続く福島県で2013年3月~2014月5月、被災したペットの保護や救援活動を支援するため、一般社団法人ふくしまプロジェクトと協働して、同県猪苗代町にある動物保護施設の改修工事を実施しました。犬舎を含む施設は完成後、同プロジェクトに譲渡され、支援拠点として活用されています。保護された犬・猫は、譲渡先が決まるまで、病院で診療を受けたり、しつけのトレーニングを受けたりしながら、新しい飼い主が現れるのを待っています。
ふくしまプロジェクトふくしまプロジェクト
写真左:元保養所の事務棟を改修した研修・事務所施設。右奥が犬舎
写真右:木製の囲いを使って温かみのある犬舎の内部
施設のうち、はじめに改修を実施したのは、ペットの保護・育成・しつけなど(飼養管理)に取り組む専門家の育成やイベントなどに活用するセミナールームと、事務所機能を備えたスペースで、2013年9月に完成しました。その後、2014年5月には、6部屋、計18平方メートルの犬舎が完成し、これまでに犬11頭、猫2頭を保護されました。2014年10月末現在、6頭の犬・猫が保護されています。
              ふくしまプロジェクトふくしまプロジェクト
               しつけのトレーニングを受ける保護犬(ふくしまプロジェクト提供)
原発事故後、同県では、多くのペットが旧警戒区域内に取り残されました。国と県が、こうしたペットを保護し、県と県獣医師会などがつくる「福島県動物救護本部」が同県飯野町と三春町に緊急避難的収容施設「シェルター」を開設し、1000頭以上を収容しました。このうち、320頭は飼い主の元に戻り、525頭が新しい飼い主に譲渡されたことから、同本部は2013年3月に飯野町のシェルターを閉鎖、三春町のシェルター業務も2014年9月で終了しました(譲渡のあっせんや譲渡までの飼育は継続)。
一方、いまなお、多くの避難者が暮らす仮設住宅では、設置市町やそれぞれの仮設住宅の自治会の方針により、定められた場所に犬小屋を設置して犬を飼うことができるところ、室内であれば犬や猫を飼えるところ、原則としてペットが飼えないところなど、対応が分かれています。同プロジェクトによると、ペットを飼い、そのペットがかわいがられることで、仮設住民同士のコミュニケーションに役立っている例がある一方で、ペットを飼うことで住民が仮設住宅の中で孤立してしまうケースも見受けられるとのことです。
PWJが支援した同プロジェクトの保護施設は、ペットと同居できない飼い主らにとって貴重な場所となっており、「飼い主や県などから、新たなペットの受け入れができないか、と相談を受けることもある」と同プロジェクト。そうした場合、同プロジェクトでは、本人への聞き取り調査なども行い、対応しています。
同プロジェクトの於保実佐子代表は「PWJを通じたご支援により、活動の拠点となる施設ができ、保護活動をはじめ、地元と密着したイベントなども活発に行うことができるようになりました。震災で明らかになった動物をめぐる様々な問題を乗り越え、過疎化・高齢化問題への貢献も含め、人と動物が楽しく豊かに暮らせる社会に向けて、これからも一歩一歩着実に進んでいきたい」と話しています。
PWJは引き続き、多くのみなさんと協力しながら、人と動物の未来のため、活動を続けていきます。
▼関連リンク
一般社団法人ふくしまプロジェクト
福島で被災した犬や猫を保護・飼育(2014.2.21)
災害救助犬育成、殺処分ゼロなどに取り組むPWJの「ピースワンコ・ジャパン」プロジェクト
 
 

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