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【東北支援】「子どもたちが地域で遊ぶ機会を」と夏休みのイベントを支援

東日本大震災の発生から3年半がたちました。被災地ではかさ上げ工事や復興公営住宅の建設などが進む一方、子どもたちの遊びを取り巻く状況には、未だに震災の影響が残っています。震災前は地区の子ども会が実施していたキャンプがなくなるなど、子どもが参加する地域行事は減っています。そこで、子どもたちに「遊び」から地域のよさを知ってもらおうと、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)はこの夏、津波により大きな被害を受けた宮城県気仙沼市で、地域の特色を活かした3つの子ども向けイベントを支援しました。
8月2日に同市唐桑地区で行われた、地元のNPO法人「あすわ」・「森は海の恋人」共同主催のイベントは、地元の子どもたちが素潜りを体験するものでした。8人の子どもたちが参加し、マスクやシュノーケルのつけ方、潜り方の説明を受けた後、海に入りました。震災後初めて海に入る子もいましたが、「海は少し冷たいけど、気持ちいい」と話していました。
「震災前から少子化が進み、子どもたちが海で遊ぶ機会は少なくなっていましたが、震災後はさらに減っています」と話すNPOスタッフの畠山信さん。畠山さんは、イベントを通じ、唐桑の魅力の一つである海の魅力を、子どもたちに感じてもらいたかったそうです。PWJはイベントに必要な、シュノーケリングマスクやクーラーボックスなどを支援しました。
子供遊び東北・子供遊び
写真左:海に入る前にシュノーケルの説明を受ける子どもたち、写真右:海に入りはしゃぐ様子
8月6~7日には、同市鹿折地区の鹿折公民館主催のキャンプが、地区内の白山小学校を会場に開かれました。以前は、地区の子ども会主催で市外のキャンプ場で行っていましたが、地域の活動が減ってしまったため、今回は同公民館が地元の小学校を借りて実施しました。
このキャンプの特色は、地域資源でもある竹を使って食器や箸を作ること。地元の小中学生18人が参加し、食器作りのほか、昼食のうどん作りや遊びを楽しみました。同公民館の臼井由美子さんは「地元の竹を使った食器作りや小川遊びで、地元の良さも感じてもらえたのではないかと思います」と話していました。このキャンプでは、PWJは、器や箸をつくるときに竹を削るための小刀を支援しました。
東北・子供遊び
地元の方の指導で竹を削り、箸の作成する子どもたち
市内の離島、大島の「小田の浜海水浴場」では、海と砂浜の大切さを知ってもらおうという「アイランドフェス」が8月9日に開かれました。地元の子どもたちなど約30人が参加し、学習会で砂浜の大切さを学んだほか、サーフボードの上に乗り、パドルでこぐ「スタンドアップパドルボード」も体験しました。
企画の中心となった「大島の自然を守る会」の佐藤重光さんは「参加者の方々には、砂浜の大切さを知り、海で十分に楽しんでいただけたと思います。運営に協力してくれた地元の方からも、来年もやりたいという声が出ています」と話していました。PWJは、このイベントに多くの参加者を募るため、チラシ作製などのPR活動を支援しました。
東北・子供遊び東北・子供遊び
写真左:綺麗な砂浜が残る大島の小田の浜、写真右:スタンドアップパドルボードを教わる小学生
被災地の小中学校は、8月24日前後から2学期が始まりました。多くの学校の校庭にはまだ仮設住宅が建っています。避難先からバスで通う子どもたちも多く、遊ぶ場所も、遊ぶ時間も、震災前より減っています。それでも子どもたちは元気な表情を見せています。
一方、被災地では、これまで多かった支援団体などが開催するイベントだけではなく、地域の住民・団体が企画し、地域の魅力を発信するイベントが増えています。このようなイベントで、子どもも大人も元気になり、地域の魅力が地区の内外に伝えられることを目指し、PWJは今後もこうした取り組みを支援していきます。

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