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【東北支援】支援のその後~機材を提供した気仙沼向洋高校~

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は2012年末、米国の姉妹団体ピースウィンズ・アメリカと協力し、被災した宮城県気仙沼向洋高校に視聴覚教室用機材、化学室用実験機材、そしてラグビー部練習用器具を提供しました。被災から3年、支援実施から2年が経ち、先日、気仙沼向洋高校の仮設校舎を訪問しました。PWJ東北事業部スタッフ鈴木豪より、現在の状況をお伝えします。
宮城県気仙沼市波路上の海岸近くにあった気仙沼向洋高校は、東日本大震災時に発生した津波により校舎が被災したため、生徒は気仙沼市内の3つの高校に分かれて授業を再開しました。同年11月には現在の同市九条にある気仙沼高校第2グラウンドに仮設校舎が建設され、大半の生徒が仮設校舎に移り、現在も仮設校舎で学校生活を送っています。本校舎の建設計画も進められており、2020年には同市階上地区に完成する予定です。
2014年4月に赴任された学校長の千田健一先生は、本校舎建設の早期実現に向けて日々奔走される中、これまで日本国内にとどまらず世界中から支援を受けたことに深い感謝の意を述べられました。
「校舎が被災したため、学校運営や授業、技術指導に必要な機材の多くを失った同校は、国や県の補助金を活用して再開することになりましたが、これまでの長い歴史の中で徐々に揃えられた実習機材や部活用道具などのすべてが戻ったわけではありませんでした。ピースウィンズ・アメリカをはじめ多くの皆様からの支援を受けられたことで、われわれ教員だけでなく生徒たちのモチベーションを高まったと思います」

気仙沼向洋高校
現在の向洋高校入口。2013年に実習棟と集会場が増設された

練習用の器具を提供したラグビー部には、現在1年生3人、2年生13人、3年生6人の計22人が所属しています。3年生の最後の大会となった県総体では準々決勝まで進みました。同点の末、惜しくも抽選負けとなりましたが、ベスト8の結果を残しました。震災以降も指導を続けてきたラグビー部顧問の昆洋一先生は、「練習機材を提供していただいた翌年の2013年には、仮設の実習室と体育館が運動場に建設されたため、練習場所が狭くなりました。近くにラグビー部がある学校がないため、生徒たちの練習は器具を使用したトレーニングが中心になりますが、支援でいただいた器具のおかげで、毎日充実した練習ができています。特にローイングマシンは、選手の基礎体力の伸ばすことにとても効果的だったので、今年は部費を集めて1台追加することも検討しているほどです。これからも生徒たちと一緒に頑張ります」と意気込みを聞かせてくださりました。

気仙沼向洋高校
ラグビー部の現在の練習風景

視聴覚機材は、学校の授業だけでなく、学年集会や全校集会、教員の講習会などにも活用されています。視聴覚機材を活用した授業を行っている機械技術科の只野浩二先生は、設備が新しくなり使いやすくなったことで授業が進めやすいと話してくださりました。
現在も仮設校舎で学校生活を送る気仙沼向洋高校の生徒ですが、十分な設備とは言えない中でも、部活や授業に励み結果を残す姿からは、震災に負けない力強さを感じました。本校舎建設まで、まだまだ時間はかかりますが、これからも元気いっぱいに学校生活を送ってほしいと思います。
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気仙沼向洋高校ラグビー部に備品支援(2012.12.2)

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