ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

2012.3.27

気仙沼市でスポーツを通じた心理社会的ケアプログラムを実施

日本

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、東日本大震災への対応として、これまで様々な活動を通して被災地の子どもたちをサポートしてきました。その一環として、宮城県気仙沼市にて、スポーツを軸としたムービング・フォワード(MF)プログラムを実施しました。

MFプログラムは、スポーツや身体を動かすアクティビティを通して、子どもたちの心理社会的ケアを図るもので、その理念には4つの柱があります。
①子どもたちが会話やコミュニケーションにより、自己表現できるようになる。
②積極的な行動を褒めることで、子どもたちが自信をもつようになる。
③ゲームを最後までやり遂げることで、忍耐力や元気を取り戻す。
④チームワークを通して、信頼関係を構築する。
PWJは、気仙沼市のスポーツ少年団と連携しながら、鹿折FC、気仙沼シャークス、松岩バレーボールの3チームを対象にこのプログラムを実施しました。
気仙沼市スポーツ少年団は、今年度は震災の影響から従来の活動を控えてきましたが、来年度からは通常通りの活動を再開できるよう準備を進めています。一方、各チームの指導員たちは、「子どもたちやその親たちにとって、子どもが友だちと集まる場所が必要」という思いのもと、震災後早々にそれぞれのチームの活動を再開しています。しかし、体育館が避難所として使われる状況が長期化し、市営グラウンドや校庭に仮設住宅が建設される中で、従来のようにスポーツを行うことは、容易ではありませんでした。
PWJは、各チームに指導員ボランティアを定期的に派遣することで、各チームの指導員が進める主体的な活動を側面から支援しました。

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MFプログラムで元気に駆け回る子どもたち
(C)Sylvia Ross/ Mercy Corps

まずPWJは、被災地の子どもたちを対象に継続したサポート体制を整えるよう、東北圏内でのサポートネットワークを構築することに重点を置きました。岩手県一関市の総合型地域スポーツクラブ「ファンスポルト一関(ファンスポ)」のメンバーに依頼して本事業に参加してもらい、各チームの練習のウォームアップの時間にMFのアクティビティを実施しました。この活動を通して、県境を越えて、岩手県一関市と宮城県気仙沼市それぞれのスポーツ関係者が交流を深めることができました。
このプログラムに参加した各チームの指導員からは、「MFアクティビティを行うことで、子どもたちは、色々なことを考えながらプレーできるようになった」「特に低学年は集中力が継続しないので、子どもたちをまとめるのに苦労していたが、楽しみながら身体を動かしていたので、よかった」などの感想をいただいています。
また、指導員として関わったファンスポのメンバーからは、「被災後、色々な心情にも関わらず、自分たちが行くことを子どもたちが受け入れてくれて、うれしかった」「今後も何らかの形でつながりを持っていきたい」「子どもたちが子どもらしくいられたのがよかった」「メニューを仕切る側としても、臨機応変にその場の状況、子どもたちのようすに合わせて、説明の仕方を変えたり、アクティビティを増やしたりできるようになった」など、指導者としての技術面の向上や、ボランティアとして被災地と初めて関わりを持ったことへの感想を語ってくれました。
気仙沼市スポーツ少年団は、2012年4月に活動を再開する予定です。本事業によって、東北圏内での関係者のつながりが構築できたことを成果として、MFプログラムは3月末で終了いたします。PWJは、今後も被災地域の人びとの主体性を尊重し、変化を続ける現場のニーズに対応した事業を展開していきます。

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松岩バレーボールのチームと(後方一番右はPWJ山田)
(C)PWJ

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