ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

地域復興・教育

Reconstruction

2013.6.10

カキ処理場ではたらく漁師たちの労働環境を改善!南三陸町志津川での取組み

日本 地域復興・教育

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、東日本大震災に対応した支援活動を続けています。2011年は漁業の再開に重点を置き、宮城県南三陸町におけるわかめ養殖やサケ・マスふ化場などへの備品提供を行いました。二年目となる2012年からは、漁業の本格的な復興という大きな課題に向けて取り組む現地の漁協と協力して、国や自治体の支援では対応できないギャップを埋めるためのさまざまなニーズに対して活動を進めています。
このたびPWJは、南三陸町の志津川港に震災後建てられた仮設のカキ処理場に防風フェンスを設置し、さらに防寒具として合羽上下、手袋、長靴などの備品を提供しました。

防寒着を受け取る漁師たち
防寒着を受け取る漁師たち

養殖業は、南三陸町における主要産業の一つです。1年を通して、わかめやホタテ、カキ、銀鮭などが全国に向けて出荷されています。しかし、震災の影響により養殖用の筏(イカダ)や資材、施設の多くが流失し、養殖事業者はゼロからの復旧という難題に直面し、大きな負担を背負わなければなりません。
政府や自治体、財団からの支援により、2011年11月までに養殖が再開し、養殖筏の復旧や稚貝の種付けが行われましたが、カキの収穫開始は2012年以降となりました。一方、同町産のカキは、これまで殻を剥き、むき身で出荷されてきたため、壊滅したカキ処理場の復旧も必要でした。
再建したカキ処理場
再建したカキ処理場

2012年10月に仮設の処理場が完成し、震災から1年半経って、待望の出荷作業が始まりました。しかし、北西風が強く当たる場所に処理場が建設され、早朝の氷点下の気温の中で行う厳しい作業では、カキ殻を捨てるために設置された穴(投棄口)から吹き上げる外からの冷気で手がかじかんでしまい、作業効率が悪くなる問題が浮上してきました。
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写真左:カキの殻をむく作業
写真右:殻は投棄口から落とされるが、ここから外の冷気が入る
志津川漁協 漁業者の声
「防風フェンスを設置していただいて、本当にありがとうございます。これまでは、施設に当たる風を遮るものが全くなく、とても寒い中行わなければいけなかったし、窓ガラスが割れてしまうようなこともありました。防風フェンス設置前と後では、全然違います。以前は、投棄口をカバーで軽くふさいだりしなければ、風の吹き上げがきつかったが、今は何もしないでいても、風が吹き上げてくることはほとんどありません。今年の(2013年)収穫時期は作業がしやすくなると思います。」(遠藤さん、男性、カキ部会長)
「防寒具自体はそれほど高くない物だけれども、作業には絶対に必要なものだし、負担が少しでも軽くなるのはとてもありがたいです。防寒具としてだけではなく、雨の日の作業などにも活用しています。(PWJとFIATの)ロゴが入ったことにより、いつもの作業着よりおしゃれにみえて、やる気がでます。」(行場さん、女性、剥き子さん)
設置した防風フェンスは、風力を弱め、直接あたる風を防ぐことができるようになりました。また、真新しい防寒具は、気持ちも暖かくしてくれたようです。この支援によって、処理場ではたらく漁業者の過酷な労働環境が少しでも改善されたことで、南三陸町の漁業が元気を取り戻す小さな一歩になれば嬉しいです。同町の漁業の本格的な復興に向けた地元の人びとの努力を支えるため、PWJは今後も支援を続けていきます。
再建されたカキ処理場と防風フェンス
再建されたカキ処理場と防風フェンス

※防風フェンスの提供は、姉妹団体ピースウィンズ・アメリカを通じた米国からの寄付によって実施されました。
※防寒具の提供は、フィアット グループ オートモービルズ ジャパン株式会社の寄付によって実施されました。

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