ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

Overseas

2003.5.22

バグダッドでの支援も開始 キルクーク、モスルでも活動

イラク 海外人道支援

ピースウィンズ ・ジャパンでは、イラク戦争やフセイン体制崩壊に伴う現地の混乱状況を受けてクルド人自治区外への活動拡大を検討してきましたが、旧中央政府側のモスル、キルクーク、バグダッドで相次ぎ、医療分野を中心とした緊急支援を開始しています。
【バグダッド】
ピースウィンズ ・ジャパンは4月17日と21日、バグダッド市内の病院、精神病院、孤児院などの調査を行いました。このうち21日に調査を実施した精神病院は約400人の入院患者を抱えていながら医薬品が不足している状態だったため、ピースウィンズ ・ジャパンから医薬品を提供しました。
精神病院の2人の医師からの聞き取りによると、病院はベッド数1400で、バグダッド陥落時には1020人の入院患者がいました。しかし、その後の略奪や破壊で病院内の設備やベッドは失われ、患者たちは全員、一時退避しました。その後、患者たちは徐々に戻り、調査時点で約400人が入院していましたが、医薬品が欠乏していました。同日、調査した孤児院では、略奪の被害はなく、この日は具体的な支援は行いませんでした。
一方、17日に調査を行った市内3カ所の病院は、警備が手薄になると略奪の可能性があるとのことで、いずれも米軍による警備が行われていました。ほとんどの医薬品に関しては調達が可能とみられる状況でした。病院の周囲の治安状況は悪く、病院の運営や指揮系統も機能していないために夜勤も不可能な状態で、入院患者はほとんどいませんでした。
ピースウィンズ ・ジャパンでは、スタッフの安全を確保するため、治安関係の情報収集に務める一方、調査チームの一部がバグダッド市内に滞在するなどして住民との信頼関係を築き、公共サービスが復旧するまでの間、できる限りの支援を実施していく方針です。
【モスル県】
ピースウィンズ ・ジャパンでは4月13日、モスル県での緊急支援活動を開始し、モスル県北側地域でのモバイル医療チームによる巡回診療と、モスル市内の母子病院への医薬品提供を実施しました。
 
13日の巡回診療はモスル県北側地域の2つの村で行い、合わせて365人の受診者がありました。巡回診療と合わせて地域内のヘルスセンターに、高血圧やぜん息などの慢性疾患の薬、200人×2週間分を提供しました。
モスル市内のこの母子病院は、クルド人が多く住むチグリス川の東側にあり、ベッド数は340。酸素ボンベを含む医薬品・医療用品、水、食糧が不足しているため、医薬品の提供を決めました。この病院では、市内の水不足が影響したとみられる下痢症の子どもの受診が増えていました。
なお、モスルの保健局は機能停止の状態となっています。 モスル市内のチグリス側東側では治安悪化も伝えられるため、安全確保のための情報収集をとくに強化しながら活動を続けており、活動は病院内でのみ行っています。
【キルクーク地域】
ピースウィンズ ・ジャパンが4月11日に続いて13日にも調査を実施した結果、キルクーク市内の病院で食糧や水が不足していることが判明したため、14日からアザリ総合病院(旧サダム総合病院)への食糧と水の提供を開始しました。
市内の病院では、とくに患者のための食糧が不足。また、取水場が電力不足のために運転を停止し、病院にも水が届かない事態となっていました。
ピースウィンズ ・ジャパンでは、入院患者と夜勤医師、計500人のための高カロリー、高たんぱくな食品として、チーズ、卵、野菜などを、まず10日分提供。今後も合わせて約1カ月分の食糧を届ける予定です。
【クルド人自治区】
クルド人自治区内では、状況がほぼ従来同様となったため、巡回医療を含めて通常通りのプログラムを再開しています。

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