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私たちの活動

イラン帰還民のキャンプなどに灯油と冬服を配給

イランで長年、難民生活を送っていたイラク北部出身のクルド人家族の帰還が今年10月に始まりました。しかし、出身の村には戻ることができず、帰還した家族はクルド自治政府が定めたキャンプでのテント生活を余儀なくされています。寒さが厳しくなるなか、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、こうした帰還民のキャンプ2カ所と、国内避難民のテントキャンプ5カ所を対象とした越冬支援として、灯油と子ども向けの冬服の配布を行いました。

11月15日現在、イランからの帰還民のうち20家族がドホーク北部にあるコランキャンプ、77家族がシェラディゼキャンプで、テント生活をしています。帰還した人たちの村は、1980年代から1990年代にかけて当時のフセイン政権により完全に破壊されたまま現在も修復されていないため、帰還民は出身の村に戻ることはできません。

テント生活をする子ども

テント生活をする子ども
(C)Peace Winds Japan

PWJは、この2つの帰還民キャンプの97家族を対象に、それぞれ灯油200リットルと灯油缶1缶の配給を実施。さらに、5つの国内避難民・難民キャンプをあわせた7つのキャンプで生活している6歳から12歳の児童421人を対象に冬服を配布しました。

配給した灯油缶と一緒に

配給した灯油缶と一緒に
(C)Peace Winds Japan

支給した冬服をうれしそうに広げる女の子

支給した冬服をうれしそうに広げる女の子
(C)Peace Winds Japan

シェラディゼキャンプに帰ってきたアリさん(仮名)は、1988年にイランに避難しました。イランでの難民生活は過酷で、家族を養える収入を得るのが難しかったため、2003年のイラク戦争後戻る機会を待ち望んでいましたが、イラク国内の治安状況の悪化や故郷の村がなくなっているため、なかなか戻ることができませんでした。2008年に入り、クルド地域の治安状況が改善したことと国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の帰還支援でり、ようやくイラクに帰れることになりました。
しかし、土の上にたてたテントでは寒さを十分にふさぐことができず、冬を乗り越えられるか不安は募ります。キャンプ内には病院がないため、診療を受けるためには近くの村まで歩かなければならず、急な病気やけがに対応できません。また、子どもたちのための学校もキャンプにはありません。
クルド自治政府は、イランから帰還した人たちに対して土地の提供と約1000ドルの支援を表明し、UNHCRや他の援助団体も建設資材や生活物資を配布する計画ですが、帰還民の置かれた状況は過酷です。PWJでは引き続き状況を確認しながら、必要な支援を実施していきます。

キャンプには子どももたくさんいます

キャンプには子どももたくさんいます
(C)Peace Winds Japan

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