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【広島】災害救助犬ハルク、国際救助犬試験瓦礫捜索部門A段階に合格

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が「ピースワンコ・ジャパン」プロジェクトで育成する災害救助犬ハルク(ゴールデンレトリバー、雄、2歳、2011年6月生まれ)が、3月14~16日に大阪府と兵庫県で開催された「第25回OPDES国際救助犬試験」瓦礫捜索部門A段階に挑み、同部門出場の6頭中、1位の成績で合格しました。
災害直後の被災地に入り、瓦礫の下に生き埋めになった生存者を主に嗅覚で捜索する役割を持つ災害救助犬。ハルクは2011年10月、救助犬の育成を目的にPWJが導入し、ドッグトレーナー藤崎啓が訓練に取り組んできました。この2年半、山間部に設置したがれき場での捜索訓練のほか、緊急出動に備えてのヘリからの降下訓練、不安定な足場での作業の未熟さを克服するための訓練などに励んできました。
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写真左:資材をあつめて設置したがれき場で訓練に励むハルク
写真右:レスキュー隊と雪山で訓練に励むハルク
ハルクは、空気を勝手に読んで落ち込んだりしてしまうなど、災害救助犬の血統を持ちながらも家庭犬の性格が強い犬でした。「とても優しく温厚な性格のため、訓練ではハルクが意欲を持って自発的に動き、楽しむことを大切にしてきた」と藤崎は言います。アグレッシブに動かすため、本来踏むべき段階を省略して大胆な訓練に挑戦させる一方、強いストレスが後遺症やトラウマにつながらないよう、常に気を配りながら訓練を進めてきました。
そして、現時点でのハルクの力を知るために初挑戦した今回の試験。試験は服従作業と捜索作業があり、服従作業では、人間のサポートなしで指示通りに動けるかを見るため、紐なしでトレーナーの左側を歩く、離れた場所へトレーナーの指示で動く、じっと伏せたままで15分以上待つなどの項目が審査されました。トレーナーが緊張する一方、ハルクはほぼいつもと変わらぬ動きを見せ、審査項目ごとの切り替えも上手くできました。また、サイレン音が鳴るなどのがれき場で、15分以内に2人の仮想遭難者を見つける捜索作業では、ハルクは時間内に2人を見つけ、その場でしっかり吠え、トレーナーにはっきりと発見を知らせました。
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写真左:服従作業で藤崎の指示に従うハルク
写真右:捜索作業で人を発見し、吠えて知らせるハルク
結果は、服従100点中86点、捜索200点中185点、計300点中271点という同部門の最高点を記録。計300点中、7割の210点以上を得点した犬が試験合格とみなされ、ハルクは見事合格できました。初出場での合格はあまり例がないそうです。

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部門最高点を記録し、表彰台に上る藤崎とハルク

試験を終え、藤崎は「ハルクにとっては、普段と違う雰囲気の中、知らない人に囲まれ、知らない場所で動けたことはとてもよい経験になった。型にはめることなく、もっといろいろな場所へ出ていき、多くの経験を積ませていきたい」と話しました。もちろん実際の災害現場で活躍することが最終的な目標ですが、国際基準に沿って行われる試験は、到達度を確かめ、改善点を探る手がかりになります。次はより難しい瓦礫捜索部門B段階に今年中に合格することを目指します。
いざという時、どんな困難な現場でも捜索に取り組めるよう、藤崎と災害救助犬ハルクの挑戦は続きます。PWJは、緊急災害時の初動対応力を強化するため、災害救助犬を育成しています。これからも温かいご支援をよろしくお願い致します。

ハルク

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