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私たちの活動

ハイチでPWJ事業を支える現地職員

今回は、ハイチの現地職員を紹介します。
 ジェラード(愛称ジェフ)はドイツ移民の子孫としてハイチで生まれ育ちました。彼はドイツに行ったことも、ドイツ語を学んだこともありません。震災前は家族の事業を手伝い、ここ2年半ほどは医薬品倉庫のマネージャーとして働いていましたが、その会社も震災により閉鎖してしまいました。
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プログラムオフィサー兼通訳のジェフ
(c)PWJ/Norimi KURIMURA

 ジェフがPWJのハイチチームに参加したのは2010年2月。当時のPWJ事務所の隣に住んでおり、PWJが通訳を探していることを知り、応募しました。マネージャー時代は、アメリカやカナダ、アジアのNGOとも仕事をしたことがあります。しかし、NGOで働くのは今回が初めてです。
PWJ事務所での彼の仕事は、プログラムオフィサー兼通訳。流暢な英語は、マイアミでの大学留学と通信会社勤務、計十年の間に培われました。ジェフは初めてのNGO勤務を気に入っています。「チームも、組織内の効率的な仕事のやり方も素晴らしい」とは、彼の言葉。
 彼がPWJの仕事をしていて特に喜びを感じるのは、物品配布の時に受益者の喜ぶ顔を見ること。「残念ながら、配布できる物品の数は限られているし、テントの中はサウナみたいだったけれど」と私が感想をもらすと、「どの組織だって、国民全員に平等に物品配布するなんて不可能だ。テントだって長期使用が目的じゃない。僕はPWJの仕事に満足しているよ」そう言ってジェフは静かに笑いました。
 震災後のハイチでは国際支援団体がひしめき合っており、道路では国連など団体のロゴを貼った車とたびたびすれ違います。そんな外国の支援について、ジェフは「うまくやっているところもあるし、もう少し頑張ってほしいところもあるね。特定の地域でのみ事業を実施し、その後拡大展開をしないプロジェクトもあって、そういうところにはもっと頑張ってほしいと感じることもあるよ」との感想を話してくれました。
 これからハイチで必要になってくる支援は、長期居住可能な住居を建設すること。ただ、建設にあたっては政府の土地管理や耐震制度の確立が不可欠、そうジェフは話を続けました。
 ジェフの家族は妻と3歳になる娘がひとり。住んでいた家は被災しましたが、幸い家族は全員無事でした。今は、別の家で家族と妻の双子の姉の4人で暮らしています。ハイチが震災から立ち直ったら、ジェフは家族の事業を復活させたいと願っています。3歳になる娘のためにも、安定した経済基盤を確保したいのです。
 「ハイチの将来に期待するものは?」と尋ねたとき、彼は饒舌になります。「教育や農業、観光業に力を入れるべきだ。教育を最初にあげるのは、教育を受けることでよりよい仕事をすることができるようになるから。治安改善も大事だね。観光業には不可欠。それから、電気代が高い現状もどうにかすべきだよ。ハイチは一年の半分が雨季だから、水力発電の発展の可能性があるし、風が強い地域もあるから、風力発電も有効だ。日差しが強いからそれぞれの家庭でソーラーパネルをつけるのも手だね。ハイチは電気代が高いから、こういった自然発電にもっと力を入れるべきだよ。ブラジルなどの近隣諸国から技術を学べればいいね。政府には頑張ってもらわないと。」ジェフの言葉からハイチの輝く明日が透けて見えました。

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