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【ハイチ】自然災害に強いコミュニティを目指して ~ハイチ南県の遠隔地域コミュニティにおけるレジリエンス強化事業終了~

本事業は2020年3月、ハイチにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による緊急事態宣言発令中に開始しました。そのため、集会の人数制限など活動の見直しを余儀なくされた他、2021年6月にはハイチ大統領暗殺事件が発生しました。さらに、事業終了直前の2021年8月14日には事業地の近くが震源地となるハイチ南西部地震が発生するなど度重なる困難に直面しましたが、2021年8月31日に無事終了することができました。事業では、ハイチ南県シャンタル・コミューンにてコミュニティセンターを4棟建設し、住民へ施設管理の指導や自然災害対応講習、避難訓練、水衛生講習などを実施し、コミュニティのレジリエンス強化を支援しました。
 
本事業で大きな成果が見られたのは、子どものトイレ使用率が向上したことです。当初、子どもたちは「トイレは暗くて怖い場所」というイメージを持っていたため、トイレ大改造計画としてトイレ内にカラフルなペイントを使って絵を描きました。戸を開けるとトイレの中は明るくなり、地元の風景画や「トイレの後は手を洗おう」というメッセージが込められた絵が迎えてくれます。これにより、子どもたちが安心してトイレを利用できるようになり、子どものトイレ使用率がなんと20%近く上がりました。
 
また、水衛生環境・防災ワークショップを住民有志からなる地域内の水衛生環境や防災知識の向上を目指す「水衛生環境・防災促進グループ(WASH/DRR促進グループ)」に対して実施しました。同グループは、受講後にそこで得た学びを活かして、学校や周辺住民に対して、啓発活動として病原菌の感染ルートとその予防対策、トイレの利用方法などの講習を実施しました。学校での活動では児童たちが楽しく学べるようゲームや歌を取り入れ、水衛生や防災知識を深めました。
 
本事業で新しく取り入れた活動として、地域災害対応ワークショップがありました。この活動では、防災専門家と住民達が自然災害発生を想定し、災害時の政府との連携強化を目指した講習や避難訓練を実施しました。災害対応時にコミュニティセンターが簡易避難所として運営するために必要な知識や行動を専門家から指導を受け、災害時に柔軟に対応できるよう目指しました。
 
事業の総まとめとしての最後の活動、評価ワークショップでは活動内容や成果などを各グループ(エンジニア、運営管理委員、学校教師、WASH/DRR促進グループ)で話し合い、意見交換を行いました。また先行事業で育成したセンター運営委員がコミュニティセンター運営に関する苦労話や良い事例の発表を行いました。これらは、今後のコミュニティセンターをより持続的に維持、運営して行くための良い機会となりました。
 
本事業を含め2018年から3年間実施してきた自然災害に備える遠隔地の村でのレジリエンス強化事業では、3つのコミューンにおいて合計14棟のコミュニティセンターの建設、420名の促進員の育成を行いました。この事業は外務省日本NGO連携無償資金や個人・法人の皆様のご支援により実施することができました。   
 
現在、コミュニティセンターでは住民の生計活動や自治会の会議、学校の授業などが行われており、住民の生活の一部として毎日利用されています。コミュニティセンターにある太陽光発電により、電気がほとんど通っていない地域でも住民が夜に集まることができ、人々と交流する機会が増えコミュニティの活性化にも貢献しています。また、ハイチでは上述の通り2021年8月に大地震が発生し、甚大な被害をもたらしましたが、このコミュニティセンターは避難所として使われ、被災下における住民の安全確保に貢献しました。
 
ハイチ南西部地震災害からの復旧・復興が進められていますが、まだまだ支援が足りない状況です。PWJは今後も、ハイチの人々のための支援を継続して実施してまいります。引き続き皆様からのご支援を宜しくお願いします。
 


シャンタル住民がコミュニティセンターを建設するところ

(コミュニティセンターは地域住民の会合や生計グループ、学校の活動、他NGOによる技術講習の実施や政府の研修等の目的で、建設したコミュニティセンターは現在定期的に利用されています。)
 


地元の絵描きアーティストがトイレに絵を描く様子
 

地元の絵描きアーティストがトイレに描いた絵

(これらの絵を描いたアーティストは夫婦で生計をしており奥さんがマネージメントとデザイン案、広報作業、旦那さんが絵を描くというとても調和のとれたご夫婦でした。)
 


WASH/DRR促進グループの学校での啓発活動の様子

 
(学校対抗で実施した水衛生環境・防災に関するコンペティションでは、子どもたちだけではなく先生方も白熱してクイズの回答を考えたり、戦略をチームで話し合っていました。)
 


避難訓練の様子
 

評価ワークショップで参加者たちが話し合う様子
 

評価ワークショップ集合写真

 
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