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ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

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2021.10.14

【ハイチ】被災した人々に水を!

ハイチ 海外人道支援

8月14日にハイチ南西部で発生したマグニチュード7.4の大地震は、多くの家屋やインフラ等を破壊し、この地震の被災者は70万人近くになると言われています。ピースウィンズ・ジャパン(以下、PWJ)は、ジャパンプラットフォームからの助成を受け地震発生から被災状況の調査や200世帯分の緊急物資配布等を行ってきました。
調査時に行われた被災者へのインタビューでは、まずは安全に寝るための屋根の他、水アクセスの向上が必要であることが分かった一方で、現地では水タンクやタンクに必要な備品、資材等に限りがあり、手に入らないという状況でした。PWJはこの課題を緊急調整会議等で各国大使館、国際機関、NGO等に共有したところ、スイス大使館が水タンクと他備品を寄付してくれることになりました。
水タンク設置に関する調整を続け、以前訪問し被災状況が悲惨なカンプ・ペラン地域のBouffard(ブッファード) 村を対象に決定し、9月30日に水タンクを設置することができました。その様子を、写真も交えて報告します。
 


写真1:水タンク設置完成後の写真

 
ブッファード村の様子
対象となったブッファード村は、震源地に近かったため、この地域の家は8割が全壊し、地震発生後から7週間も経ちますが、被災者は未だに家の外や倒壊したままの家の中で生活をしています。約300世帯が住む小さな村ですが、大家族が多く、世帯数は6~10人で、15人以上で暮らす家族もいます。また、地震発生後に水道管が壊れ、電気も通らなくなったため、水へのアクセスが困難になりました。そのため、多くの世帯で最低限の生活や衛生環境を保つことがとても困難な状態です。
 


写真2:地震発生当時、こちらの女性は首都のポルトープランスにいて、子どもたちは家の中にいました。子供たちは揺れを感じて、すぐに家の外に出たとのことで無事でしたが、帰宅すると家が崩壊していて声も出なかったそうです。現在は崩壊した家の破片を集めて小屋を作り、その中で生活をしています。

 


写真3:地震発生直後の瓦礫が崩れた状態のまま生活をする様子。

 


写真4:地震発生後、家が全壊した世帯では、崩壊した家の破片などを集め、なんとか屋根を作り生活をしています。

 

水タンク設置(1日目)
水タンクの設置にあたり、給水の流れをよくする土台が必要です。土台となる砂袋(土のう)を作るため、住民が砂入れ作業を行いました。中にはボランティアで手伝ってくれた住民や子ども達もいました。
 


写真5:砂袋を協力して水タンク設置場所まで運ぶ様子。

 


写真6:子ども達も率先して砂袋作りに参加してくれました。とても暑かったのでみんな汗だくで作業をしました。

 


写真7:砂袋を作る子ども達に話を聞くと「暑くても、砂が重くても、水タンクのためなら頑張る」と言っていて、2時間以上休まず作業をしてくれました。水がこの町にあるのは、地震発生以来初めてで、とても嬉しいことと話してくれました。この村には団結力や協調性があり、子どもを含め一人誰かが手伝うと、次々に率先して人が交代して作業をしていたことが印象的でした。

 


写真8:ブッファード村のリーダー的な存在であるWilmaneさん(右の方)。今回の水タンク設置にあたり、砂袋作成に必要な作業員を集めてくれたり、作業中に指揮をとってくれたりと、彼のリーダーシップのお陰で作業が効率よく進みました。

 


写真9:砂袋作りに参加してくれた中高学年の子ども達。真ん中のオレンジの帽子の女性の名前はJuniaさん。砂入れや、砂袋運びも両方作業を行い、とても重い砂袋を一人で運んだり、他の作業員の作業にも拍車をかけるような掛け声をしたり、チームを盛り上げてくれていました。作業中に話を聞くと、この水タンク設置は、村の人々の暮らしにとても重要なこと、地震の緊急対応として欠かせないものと話してくれました。地震発生時から支援がなかなかなく見捨てられたと思っていたが、支援をしてくれてとても勇気づけられたとも語ってくれました。

 


写真10:作業員が砂袋を水タンク設置場所に敷き詰める様子。

 
水タンク設置2日目
砂袋の土台が準備できたので、2日目は水タンクの設置を行いました。スイス大使館のエンジニアが来て、設置や給水までの作業をPWJと協働して行いました。
 


写真11:真ん中に写っているのがスイス大使館のエンジニアで、水タンク設置の手順を説明する様子です。水タンク設置までにも、設置場所の調査や、設置にあたってのアドバイスなどがあり、PWJのエンジニアも沢山の学びがありました。

 


写真12:PWJのエンジニアとスイス大使館のエンジニアが水タンクと給水用ホースを装着する様子。

 


写真13:水質検査等を行う公営団体TEPAC(TECHNICIENS EN EAU POTABLE ET EN ASSAINISSEMENT POUR LES COMMUNES )の職員が水質検査をする様子。

 


写真14:給水トラックが到着し、いよいよ水タンクに給水ができます。ブッファード村までは、舗装されていない山道を通ってくる必要があるため市街から来るのに時間がかかります。この理由で、この村には今まで支援が届いていなかったという状況もあります。また、ハイチでは地震発生後の港の閉鎖や不安定な治安状況が影響し、ガソリンスタンドでは燃料が不足しているため、給水トラックが予定通り給水できないこともあるのが現状です。

 


 

写真15、16:ブッファード村の住民が協力し合い、水タンクに給水をする様子です。すべての住民が水タンクの周りに集まり、声を掛け合うなど、緊張感がある瞬間でした。大切な水が溢れ出てしまわないように、水を入れるのに角度調整やホースの持ち方などの工夫をしないといけないため、皆真剣な面持ちでした。

 


写真16:最後は、5,000リットルの水が水タンクに給水され、5分も経たないうちにジェリカンを持った住民達が押し寄せて水を汲む様子です。住民達は、水が手に入りとても嬉しそうな表情をしていました。5,000リットルの水はあっという間になくなり、住民達がどれほど水を必要としていたか実感した瞬間でした。

 
ブッファード村では、これからは給水車が来るようになり、住民達が協力して給水作業をしていく予定です。村の人々は地震発生以来、毎日2~3時間かけて隣町に行き水を汲んでいたので、水へのアクセスが改善され本当に嬉しそうな表情を浮かべていました。
スイスの大使館による水タンクと他備品の寄付に関して、改めて感謝を申し上げます。また、PWJは、ブッファード村のような支援が行き届いていない地域を中心に、緊急支援を継続していく予定です。皆さまの引き続きのご支援をどうぞよろしくお願い致します。
 
ハイチ現地駐在員 安部良能

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