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私たちの活動

【ハイチ】美味しいカシューアップルワインができました!

アフェダム(AFEDEM:ハイチ女性生計グループ)が製造したカシューアップルワインが完成したとの連絡が入りましたので、試飲をしてきました。専門家から聞く限り、カシューアップルワインはハイチとコートジボワールでしか市場用に生産されていないそうでとても貴重なワインです。
ピースウィンズジャパン(PWJ)は2020年6月から2021年5月まで、女性生計グループの活動支援及び地域経済の活性化を目的としたカシューナッツ加工・販売復興プロジェクトを実施しました。このプロジェクトでは、ハイチの産物の一つであるカシューナッツを使った製品開発を行いました。
その製品の一つが今回完成したカシューアップルワインです。
 

 
アフェダムが製造したカシューアップルワイン。ラベルもオリジナルのデザインでPWJスタッフと案を出し合い素敵なボトルになりました。
 

 
下部の茶色部分が種、カシューナッツでおなじみのもの。上部のオレンジの部分が果実でカシューアップルと呼ばれているもの。このカシューアップルを使ってワインを作ります。
カシューナッツと聞くと種実類だと思われがちですが、とても甘いオレンジ色をした果実部分はオレンジの約5倍のビタミンCがたっぷり含まれていて抗酸化作用が高く、免疫力を高める効果があり、風邪予防、コレラ予防、下痢にも効果的だそうです。そのためハイチの感染症予防対策としてもカシューアップルはとても有効といわれています。
 
通常カシューアップルワインを発酵させるのに3~4ヵ月かかるそうですが、アフェダムの製造方法では、高品質の出芽酵母を使用していて、専門家が独自に普及させた新技術によって発酵期間約1ヵ月~2ヵ月という短期間でできるとのことです。
 

 
アフェダムメンバーと専門家が作ったカシューアップル果汁を入れて発酵させる容器です。準備された果汁をこの容器に入れると発酵が始まります。発酵は注入器を通してCO2ガスを排除し、瓶には水を入れ、ガスが入ってくるのを確認します。ガスの放出がすべて終わると、発酵終了のサインとなります。
 
アフェダムメンバーも今では作業に慣れてきましたが、何度も何度も実践と失敗を繰り返してきました。その甲斐あってかワインの味は心のこもったとても深みのある杏子酒の様な味わいになっています。熟成時間が長いほど色が濃くなり、黄色から紫色のように変化します。味わいも熟成した方がより深い味に仕上がっています。
 

 
アフェダムメンバーがワイン製造過程でカシューアップルを洗浄している様子。手前にいる男性が専門家でカシューアップル加工の工程を指導しています。
 

カシューアップル果汁のろ過作業の様子。
 

 
アフェダムメンバーのMirtha Bernard(上写真で試飲する女性)さんに製造過程や味の感想を聞くと、「カシューアップルワインを製造する前はどのように作るかイメージもわかなかったが、今は自信を持って作れるし、人に教えることもできる!長い研修期間を経て獲得した技術が美味しいワインの秘訣になっている」と話してくれました。さらに次の製造に向けて新しい製造道具が必要だとか、こうしたらもっと効率がいいのではと、熱心に専門家と話していました。他のメンバー達も次回はカシューアップルジャムを作ってみたいと積極的な気持ち、意気込みがとても強くなっています。
 
こうした活動を通じて、女性が必要な技術を身につけ、その技術で収入を得て、自らの力で家計管理ができ、企業することにより経済力をもてるようになります。今はアフェダムメンバーもそれぞれ目標はもっていますが、その目標を達成するために何をしなければならないのかがまだ明確になっていません。さらなる職業訓練やマーケティングのためにコミュニケーション能力を向上させることも必要です。一缶のカシューナッツ、一瓶のカシューアップルワインが女性に職を与える機会をつくり、そしてその小さな収入が積み重なることにより地域全体の雇用機会が生まれます。このような持続可能な生計支援を今後も継続していきます。
 

カシューアップル製作後アフェダムメンバー全員で集合写真を撮りました。
 
※本事業は、皆様からの寄付のほか、日本国際協力財団(https://jicfnpo.wixsite.com/jicf)からの助成金により実施致しました。今後とも、温かなご支援をよろしくお願いいたします。

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