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私たちの活動

【バングラデシュ】サイクロン被災者支援活動報告

2020年5月20日、ベンガル湾で発生したサイクロンアンファンがバングラデシュに上陸し、南部沿岸地域に大きな被害をもたらしました。
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は同年8月から11月まで提携団体Dhaka Community Hospital Trust (DCHT)とともに、パトゥアカリ県ゴラチパ郡、およびバゲルハット県シャランコラ郡にて緊急支援を実施しました。この地域は養殖業や漁業が盛んですが、サイクロンによる暴風雨や高潮が浸水を引き起こし河川や養殖池が被害を受けたことで、生計を立てるための手段が失われていました。サイクロン以前から新型コロナウイルスの影響で経済が停滞し生活が脅かされていたところ、サイクロンの直撃により被災者はますます苦しい生活を余儀なくされていました。
 


倒壊した家屋

 

PWJは緊急支援として、脆弱な被災者を対象に、食料パックや家屋の一時補修のための防水シート(ターポリン)を配布しました。サイクロン直撃により家屋が損壊し、その後も雨季が続いていたことにより、室内が常に水浸しの状態の家も多く、ターポリンの配布は特に喜ばれました。養殖業や漁業での被害をうけた方には、生活再建のため漁網を配布しました。
 


ターポリンによる屋根の補修

 


食料パックと経口補水塩(ORS)を受け取った被災者

 


配布した漁網で早速エビを捕獲!

 

被災地でも新型コロナウイルスの感染数が徐々に増加しており、また被災後の衛生環境の悪化により下痢などの水媒介系感染症も拡大しています。そのため、物資の配布とともに、石けん、経口補水塩(ORS)、布マスクの配布や手洗い啓発などの衛生啓発活動を実施しました。

 


衛生啓発活動の様子

 

新型コロナウイルス感染拡大に留意し、密集を避けるため、被災者の方の自宅を一軒一軒訪問して物資の配布や啓発活動を行いました。サイクロン上陸後も被災地では悪天候が続いており、足場の悪い道や小舟に乗らないとたどり着けない場所もありましたが、そういったところへも物資を届け、啓発を行いました。

 


小舟を使って物資を運んでいます

 

 


物資を濡らさないように気を付けながら足場の悪い道を通ります

 

また、サイクロンによる高潮や泥水の侵入により、いままで使用していた井戸水が汚染され使えなくなってしまっていました。そこで、PWJは清潔な水を確保できるようにするため新たに深井戸を2基建設しました。清潔な水を確保することは感染症予防の観点からも非常に重要です。深井戸ができたことで水を汲みに遠くまで歩く必要がなくなり助かった、と人々からは喜びの声が上がりました。
 


井戸建設の様子

 

建設された井戸はコミュニティへ引き渡されました。今後はコミュニティ住民から構成される管理委員会が主体となって深井戸を管理していくことになります。地域の人々に井戸を長く大切に使っていただけるよう、管理委員会のメンバーを対象に維持管理研修を実施しました。研修には委員会のメンバーだけでなく郡長官やユニオン議長、地域の有力者であるコミュニティリーダーや宗教指導者など様々な方にご参加いただきました。

 


深井戸維持管理研修の様子

 


完成した井戸の様子:住民が水を汲みに来ています

 

緊急支援物資の配布完了および深井戸の引き渡し完了をもって、11月30日にサイクロンアンファンの被災者支援事業は終了いたしました。みなさまの温かいご支援、誠にありがとうございました。
 
※本事業はジャパン・プラットフォームからの助成金や個人・法人のみなさまによる寄付金により実施いたしました。

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