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ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

Overseas

2009.10.7

洪水で被害を受けた観測機器の修復進行

アフガニスタン 海外人道支援

アフガニスタンの北部では2007年−2008年の雨期の降水量が非常に少なかったため、昨年2008年は、2000年以来の干ばつとなりました。ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が活動しているサリプルでは、年間に100mmしか降らず、天水域(農業用水を降水量のみに依存している地域)での農業生産量はゼロでした。幸運なことに2008−2009年の雨期は降水量に恵まれましたが、春先に「洪水」が発生し、PWJが水資源調査のために設置している水位計も被害を受けました。調査に欠かせない機器のため、治安の動向をにらみながら、修理と再設置を進めています。

2008−2009年の雨期は、サリプルでも360mmの雨量に恵まれました(平年は300mmを下回ります。日本の平年値1700mmと比較するとその少なさが分かります)。住民のほとんどが就農をしているサリプルでは、前年のような悲壮感は少なくなり、農家の皆さんが農作業に追われる姿を頻繁に目にします。

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麦の収穫
(C)PWJ/Atsushi KOJIMA

乾燥しているアフガニスタンのイメージからは考えにくいことですが、平年並みの降水量の年には、春先に洪水被害が多発します。これは、アフガニスタンの土壌が日本の森林土壌のような保水能力をもっていないため、少しでも雨が降ると、地表面を流れ下るからです。2009年春にも多くの洪水が発生しました。この洪水によって、たくさんの人びとが家や田畑を失いました。サリプルでも、国連と我々NGOが協力して被害状況調査を行いました。
 
この洪水は、PWJが実施している水資源調査にも被害をもたらしました。水資源調査の主要な項目の一つである河川流量を観測するための水位計が、9カ所中、5カ所で破壊されてしまいました。アポノジ村では、河川にかかっていたコンクリート製の橋が完全に流されてしまいました。

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水位計を内蔵していた鉄パイプが洪水で折れた
(C)PWJ/Atsushi KOJIMA

河川流量は、河川水を用いた灌漑農業が盛んなサリプルでは、非常に重要なデータです。乾燥域に位置するサリプルでは、この河川水を流域内の村落間で配分することで、灌漑農業が成立しています。将来、集約的な灌漑農業を導入して農作物の生産量を上げていくためには、この河川流量データを用いた農業計画が欠かせません。PWJが2003年末から行ってきた、河川流量の継続的な観測などの水資源調査は、将来への投資なのです。

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写真左:橋が流されたアポノジ。洪水前には車両が通行できるコンクリート製の橋があった
写真右:サリプルに駐屯するアフガニスタン国家警察
(C)PWJ/Atsushi KOJIMA

被害を受け、さっそく5月から修復作業を始めることにしました。しかし、問題は治安です。アフガニスタンのなかで治安が安定している北部でも、治安の悪化傾向は免れません。このような状況下で、破壊された水位計の再設置作業を行うことには、困難が伴います。現地で活動を行う場合に最も考慮しなくてはならないのは、被害者を出さないことです。現地スタッフや日本人スタッフに被害が及んでしまうことは絶対に避けなければなりません。毎日、治安情報を多方面から収集して検討しながら、どの場所の水位計であれば対応できるかを考え、修復を進めてきました。
現在のところ、アシアバッド村に設置していた水位計の再設置のみが終わっています。その他の水位観測地点では、治安が安定した日を狙って現地入りし、再設置のための現地調査を行いました。破壊された水位観測地点の多くでは橋や堤防なども同時に破壊されたので、再設置をする際には、来年以降、大きな洪水が発生しても破壊されないような強度を持った構造物の建設が必要となります。治安とにらみ合いながら、もうすぐ始まる雨季前までに何とか修復したいと考えています。

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アシアバッド村の水位計を修理する
(C)PWJ/Atsushi KOJIMA

 

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