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ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

Overseas

2008.9.12

緊急給水は干ばつ対策の「第一歩」

アフガニスタン 海外人道支援

今年、アフガニスタン北部は、タリバン政権時代に起こった大干ばつ以来の厳しい干ばつに見舞われています。2004年、2006年にも干ばつがありましたが、今年はそれらを上回る規模で被害が出ています。こうしたなかピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、地元州政府・地方復興開発局、そして村人たちと調整を重ね、8月31日に給水事業を開始。9月9日までの対象となる71カ村のすべてで1回目の給水を実施することができました。しかし給水事業は対策の第一歩にしか過ぎません。干ばつで被害を受けた住民のためには長期的なアプローチが求められています。

給水車から水を受け取った住民たち

給水車から水を受け取った住民たち
(C)Peace Winds Japan

アフガニスタン北部の天水域(河川が存在しない地域)には、100以上の村があります。生活用水・農業用水の水源として依存できる河川が近くにありませんので、人びとの生活は、雨期(11月〜4月)に得た雨水に依存しています。PWJの行ってきた調査によれば、雨期に300〜350mm程度の降水量があれば、ある程度の生活を営めます。干ばつであった2004年、2006年でも250mm程度の降水がありました。しかし、今年は約100mmしか降らなかったのです。
さらにアフガニスタン政府や米国国際開発庁(USAID)の調査によると、今年、天水域での麦の収穫量は0でした。世界的な食糧価格の高騰や、中央アジア全域で大量発生しているといわれるバッタの影響などで、人びとの生活は二重にも三重にも困窮しています。家畜を売却して当面の生活資金を得ようとする人も多いですし、種籾(たねもみ)に手をつけてしまう人も多いです。
降水量不足は、農業生産に壊滅的な影響を及ぼしているだけでなく、生活用水の枯渇も招いています。天水域では今年、雨期に貯めていた水が、4月中に底をつきました。それからは、毎日、片道数時間かけて河川まで行って水をくんでいました。しかし今年は河川水の減少も顕著で、天水域の人びとがあてにしていた水くみ場(湧水地点)も枯渇するところが目立っていました。

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勢ぞろいした給水車とドライバーたち
(C)Peace Winds Japan

こうしたなか、PWJでは、地元州政府・地方復興開発局、そして村人たちと調整を重ねて、ようやく8月31日から給水事業を始めることができました。対象としているのは、水源から遠く被害の甚大な71カ村、約10000人の人びとです。約20台の給水用タンカーが、毎日、天水域と河川の間を往復しています。村々への道は悪路が多く、大きなタンカーも移動に難渋していますが、まずは各村それぞれに最低1回ずつ水を配ることができました。

天水域の悪路をゆく給水車天水域の悪路をゆく給水車

天水域の悪路をゆく給水車
(C)Peace Winds Japan

イスラム教徒の人々にとって重要なラマダン(約1カ月間、太陽の出ている日中には、一切の飲み食いをしない断食)が、今年は9月1日から始まりました。水不足の上に断食となると、飲み食いをせずに水くみ作業などを行うこととなり、干ばつ地域の人びとにとっては命の危険にもつながりかねません。給水事業の準備中には、天水域の人びとが村々の窮状を説明しに何度もPWJ事務所を訪れ、「何とかラマダン前に給水を始めてほしい」という陳情が繰り返されました。何とか間に合わせることができ、人びとからは、毎日村々を訪れているPWJスタッフに対して、感謝の声が数多く届いています。「お祈りのときには、PWJのことも神様にお祈りしているよ」と何人もの村人から言われ、我々も少々ほっとしています。

村人の給水タンクに注水

村人の給水タンクに注水
(C)Peace Winds Japan

この給水事業は、乾期が終わる11月末まで約3カ月間行います。当面必要な最低限の生活用水はこれでまかなうことができます。しかし、天水域の人々にとっては、乾期の後も問題は続きます。
今年収穫がゼロであった小麦をはじめとする農作物や、その種籾をどうやって確保するか、失ってしまった家畜をどうやって取り戻すかなど、課題は尽きません。干ばつというと、緊急の問題をイメージしがちですが、実はボディブローのように地域社会の基盤に影響を与え、貧困問題や社会不安問題へとつながります。それらに対処するためには、今後、長期的な視点からのアプローチが必要なのです。
※PWJはアフガニスタン支援を続けています。詳しくはこちら

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