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海外人道支援

Overseas

2007.8.6

児島淳のピースウォーターレポートVol.4天水域農業を可能にするために(上)

アフガニスタン 海外人道支援

天水域での農業生産量を安定させることは、アフガニスタンの人々のなかでも貧困層と呼ばれる人々の生活の安定につながり、またアフガニスタンの食糧安全保障にとっても大きな意味があるのは、これまでのピースウォーターレポートで述べてきたとおりです。貧困問題に加えて、最近アフガニスタン全土にわたってタリバンなどの反政府活動が盛んになっています。私の現地で知り合ったアフガニスタン人の親戚は、アフガニスタンの警察に勤めていましたが、非常に悲しいことにタリバンに拘束され、殺害されてしまいました。また、タリバンと国際治安維持軍・アメリカ軍との交戦でも多くの一般市民が巻き添えになっていることは周知のとおりです。

このようなテロ活動は、ある程度の現地住民からの協力・暗黙の看過がなければ不可能と私は思います。現地住民がテロ活動を受け入れる環境として、国際社会の支援が始まって6年経っても依然変化のない貧しい農村地域の人々の絶望感を指摘する意見もあります。このことは、裏を返せば、農村生活の安定がアフガニスタンやその周辺地域における治安の安定につながることを示しています。
天水域農業が、頼みの綱とする降水量について見てみましょう。以前のレポート(Vol. 2)で触れましたように、年間の降水量の年々変動(各年における年間降水量がどれだけバラつくか、という程度を表す)と年降水量の関係を調べると、乾燥した地域ほど、年降水量は年毎に大きく変動してしまうことがわかっています。
アフガニスタンの北部で実際に観測された降水データをみてみましょう。次のグラフは、アフガニスタン北部の中心都市であるマザリシャリフでの1949年からの降水量データです(マザリシャリフは、長期間の降水データが存在する数少ない都市)。なお、マザリシャリフは、PWJの活動地域から約100km離れた地点にあります。


グラフの横軸は月、縦軸は降水量(mm)です。各年をクリックするとその年の降水量が表示されます。データには一部欠測があり、不完全ではありますが(12月の雨量が1968年以降欠測)、アフガニスタンでの降水量の変動の激しさがわかっていただけると思います。たとえば、春蒔き小麦で考えれば、2月ごろからの降水量は重要ですが、グラフによると月雨量は0mmから90mmの間を変動しています。このような降水形態に左右されて、農業生産高も大きく変動してしまうわけです。
大きく変動する降水量に依存しなくてはならないアフガニスタンの天水域農業ですが、では、天水域農業の生産を安定させるにはどうしたらいいのでしょうか。一言で言えば、農業用水を安定的に確保することです。つまり、グラフでみたようなバラバラな年降水量を前提としなくてはならない以上、年間降水量が少ないときにも多いときにも、地表を流下する水(表面流と言います)を効率的に回収する、貯水槽やカンダなどのインフラの整備が必要となります。
次回の「天水域農業を可能にするために(下)」では気候変動の影響についてご紹介します。
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