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海外人道支援

Overseas

2007.5.24

児島淳のピースウォーターレポートVol.2天からの水を貯める伝統的な方法 (上)

アフガニスタン 海外人道支援

イスラム圏でよく使われる“インシャッラー”という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。“神のみぞ知る”、“神の御心のままに”というような意味の言葉ですが、天水域で村人と話していると本当によく耳にする言葉です。この地で聞くと、人為によってはいかんともしがたい事象に対する気持ち、持つべき心構えを表しているようにも思えます。 

乾燥域・半乾燥域といわれる地域では、雨期に雨や雪が十分降るか降らないかは、予測不能といえます。国連食糧農業機関(FAO)は1981年に、世界中のさまざまな地点における年降水量の平均値と、年降水量の偏差の関係をまとめています。それによると、年降水量の平均値が小さいところほど、年降水量の偏差が大きくなる傾向があると指摘されています。これはどういうことかというと、雨の少ない地域ほど、ある年にたくさん降ったかと思えば次の年は大干ばつ、というばらついた傾向を示す、つまり、年毎の雨の量がとても変わりやすいということです。乾燥域の降水量は気象の現象としても“インシャッラー”であるわけです。観測によると、サリプルの年間降水量は300mm以下しかないので、年々の変動が与える人びとへの影響はとても大きいといえます。
このように頼りにならない降水量ですが、河川水が近くになく井戸水もあまり当てにならない以上、天からの水に頼るしかありません。天水域の人びとはこれまでどのような手法で対応してきたのでしょうか。2回にわけて、伝統的な採水法をご紹介します。

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村にある貯水池
(C)PWJ/Atsushi KOJIMA

伝統的採水法1 : 貯水池

前回のレポートでも紹介しましたように、天水域の土壌は、水をしみ込ませる能力に乏しいので、降水があったときには、多くが流れ下ってしまいます。その水を貯めるために、土壌を掘ったり、土壌を盛ったり地面を掘ったりして貯水池を作ります。多くは小規模の谷地形の底に作られています。集まって来る水は、地表面を伝ってきますからもちろん水はにごっています。生活用水にも用いますし、家畜用の水としても用いられています。壁の補修などをまめにしなければ、数年で更地に戻ってしまいます。

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貯水池には家畜も集まる
(C)PWJ/Atsushi KOJIMA

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岩場のカンダ。左側が側溝
(C)PWJ/Atsushi KOJIMA

伝統的採水法2 : カンダ
カンダとは、地下に、大きな部屋ほどの空間を掘ったもので、多くは5m×5m×3mぐらいの空間です。そこに、貯水池と同様の手法で雨水を集めます。天水域に分布している岩石の露出した場所では岩石の中に作っていますし、土壌中に作っているところもあります。地表面を削ってつけた側溝から、地表面を流れる水を集める仕組みです。カンダは流れ込んだ土砂のかき出しや漏水止めなど維持管理も大事です。

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カンダ密集地帯のにあるカンダの入口
(C)PWJ/Atsushi KOJIMA

次回は、貯水池、カンダ以外の2つの方法、各世帯の経済状況との関係、そしてそうした方法がなくなったときのことなどについてご報告します。

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カンダに水をくみに来た子どもたち
(C)PWJ/Atsushi KOJIMA

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