スタッフ・インタビュー
第2弾 山本理夏(やまもと りか)さん
山本理夏さんは、ピース ウィンズ・ジャパンの海外事業部チーフをなさっています。(オフィスの皆からは「理夏さん」と呼ばれています。)
― まずは、理夏さんのお仕事内容を教えて下さい。
海外事業部は6つのフィールド(地域)に分かれていて、それぞれ担当者がいます。各担当者はフィールドの現地事務所と連絡をとり、様々な支援事業を実行していきます。私はその担当者たち全てをバックアップする仕事をしています。
― という事は、海外出張も一つの地域に限らず行かれるという事ですか?
そうです。去年はイラク、アフガニスタン、シエラ・レオーネに行きました。
― そうすると、日本と海外にいる割合はどのくらいなんですか?
そうですね、一年間の内、だいたい4割くらいは海外にいると思います。
また、世界中のプロジェクトをピース ウィンズ・ジャパンとしてどう方向付けるか、ということを考えていくのも私の仕事です。人びとの生活の安定と自立に向かって努力するのが私たちの仕事なんですが、それをどうやって実現させていくのかを考える必要があります。現地にニーズはたくさんあるので(例えば「井戸を掘ってほしい」、「学校を建ててほしい」など)、どれをやっても良いように見えるのかもしれませんが、やはり体系だてて活動していかなければならないですよね。
― そうですね。ところで理夏さんはどうしてこういった職業につこうと思われたんですか?
中学校の時に、特別養護老人ホームへ家庭科の授業で作ったオムツを届ける係りになったんですね。もちろん中学生が作った物なので、たいしたものではないんですが、その時そこにいらしたおじいさんやおばあさんが涙を流して喜んでくれて、私はショックを受けました。そこで初めて社会的弱者のかかえる問題に対して関心を持つようになったんです。それから中学、高校、大学と、孤児院や心身障害者の方の施設でボランティアをするようになりました。点字や手話も習ったんですよ。大学では高校の先生に「社会的弱者を守る為にある」と言われた法律を専攻しました。大学時代に、「国内だけでなく世界にも大変な人がいる」ということが見えてきて、関心がそちらに向いたため、アメリカの大学院で開発研究を専攻することにしました。具体的には、アフリカやアジアの経済、ジェンダーについての問題とその解決手法を勉強しました。そしてその流れで卒業後はNGOに就職しました。
― NGOを就職先として考える、というのは特に日本においてはここ最近一般的になってきた話ですよね。
そうですね。私はこの仕事を一生していこうと思っているんですが、大学時代は他の定職についてボランティアとして関わっていくか、この仕事で食べていくか迷ったこともありました。でも、ボランティアをしていた時に、どうしても甘えが出てしまい、お仕事をサボってしまったことがあったんです。それは、私が抜けたことによって迷惑がかかる人が出てくるということですよね。そこには責任の問題があるわけです。お金をもらって働く、という事には必ず責任が生じますよね。その出来事がきっかけで、私はきちんと責任をもって仕事がしたいと思うようになり、現在の形を選ぶことにしたんです。
― なるほど。ではその後の経緯を教えて下さい。
卒業後に入ったNGOではアフリカに行きました。タンザニアでルワンダ難民を1年半、その後ウガンダでスーダン難民を3年くらい支援しました。それからまた他のNGOに移り、コソボで1年間活動しました。コソボでの活動中にピース ウィンズ・ジャパンの存在を知り、現地での仕事が終わった後、ピース ウィンズ・ジャパンに来ることにしました。現在まで2年半程ここで働いています。
― 私は、もちろん現地に行った事はないので興味があるんですが、理夏さんは現地と日本の社会のギャップっていうのは自分の中ではどう埋めていらっしゃるんですか?
働き出した当初は、普通の日本人の女性のように「青山をハイヒールはいてお化粧して歩く」みたいな生活はこの仕事をしている以上できないのかなぁ、と思っていました。でも徐々に、仕事をしているからそういった生活が出来ないのだ、という訳でもないような気がするようになりました。
― そうですね。今は東京にいらっしゃる時間もあるわけですから、青山を歩くことも、ハイヒールを買うことも物理的には可能なことであって、後は理夏さんのご選択という部分によることになるんですね…。
― 最後に、理夏さんから見た「この仕事の良い点、悪い点」をお聞かせ願えますか?
やはりこの仕事の良い点は「社会に貢献していくことが出来る」という点だと思います。私自身、そこから非常に充実感を感じていますし。
悪い点、というのは、そうですねえ……。以前私は、いつも自分が「根無し草」のような気がしていました。というのは、アフリカにしろコソボにしろ、私は実際そこに住んでいて、そこで暮らす人とも仲良くなるけれども、最後には必ずそこを離れてしまう。次の赴任地へ行っても、またそこもいつか離れることになる。いま現在住んでいる場所はあるけれども、私は最後にどこに行き着くのか、まるでクラゲのようにどこかフワフワした感じでいました。心の落ち着きどころはどこなのか、というか。
その漠然とした不安感はピース ウィンズ・ジャパンに来て、日本を拠点にするようになってからは消えたんですけれどもね。まぁ、それが良いのか悪いのかはわからないですけど。
最後は何だかとっても抽象的な話になってしまいましたね(笑)。
― 山本理夏さんはよく日に焼けた快活そうな女性です。妹さんと暮らしてらっしゃるご自宅では雑種の犬を飼われているとか。小柄な体からエネルギーをたくさん発散させていらっしゃるようなイメージの方です。ご協力、ありがとうございました。 |