ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害、貧困などの脅威にさらされている人びとに対して海外国内問わず支援活動を行うNGOです。

特定非営利活動法人(認定NPO)ピースウィンズ・ジャパン
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東北(東日本大震災)の現地活動ルポ

東北(東日本大震災)の現地活動ルポ

【東北支援】震災3年:ピースウィンズ・ジャパンの2013年の取り組み

2014.3.8

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は2013年、東日本大震災の被災地において、主に4つの活動に取り組みました。

1. 高齢者らが集い活動する場を再び
2. 地元産品の販売・レストラン・体験で地域再生を
3.「ふるさと学習会」から「わらすこ探検隊」へ -子ども支援も息長く-
4.地域復興へきめ細かい支援

1. 高齢者らが集い活動する場を再び

住民が日々集い、仕事や、趣味・スポーツに興じていた震災前の日常の一部を取り戻し、町や地域コミュニティの再生につなげるため、PWJは宮城県南三陸町で、高齢者らが集い、活動するための施設の建設を進めています。

南三陸コミュニティーカフェ パース

この「いきがいサポートセンター」(仮称)は、軽作業などのあっせんサービスと高齢者・地域の人びとが交流する空間の再生が大きな柱。併設するカフェでは障がいを持つ人に働く場を提供したり、現地NPOと協力して障がいを持った子どもたちを放課後に預かったりするサービスの拠点とすることも検討しています。

震災前、同町にはシルバ一人材センターがあり、ワ力メやウ二、力キなどの養殖にかかわる軽作業、植木の手入れや草刈りなどの作業を、働く意欲のある高齢者にあっせんしていました。同センターを拠点に「シルバ一友の会」が活動していて、陶芸や竹龍づくり、グラウンドゴルフなどの趣味の活動が活発でした。

この取り組みでは、住民自身が利用方法の決定や施設連営を担っていくことを重視しています。2013年秋以来、住民有志で紙すきや陶芸の施設、菜種油を抽出・加工する会社、障がいを持つ人が働く水産加工や牛タン加工の作業所の視察を行い、利用方法について話し合ってきました。工事は2014年1月に始まり、春以降、本格的な活用が始められる予定です。

※この事業は、みなさまからのご寄付のほか、ジャパン・プラットフォームの協力も得て実施しています,

元南三陸町シルパ一人材センター事務局長 鈴木清美さんの話
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主だったメンバーが復興のために奔走せざるを得ないことから、センター は再建を断念し、昨秋、解散しました。仕事のあっせんがなくなり、水産業業などにも影響が出ています。友の会では、技を持った人が興味のある人にその技を教えて、みんないきいきしてたけど、友の会の活動もなくなって、みんなバラバラに。仮設住宅にこもる人も少なくありません。早く新しい拠点ができてほしいと思っています。

PWJ東北事業調整員 西城幸江の話
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津波が町を襲ってから、もうすぐ3年がたとうとしています。地元、南三陸町出身の私は、小さいころから元気なお年寄りたちの姿を見て育ちました。しかし、津波は、お年寄りの活動の場を奪っていきました。以前のように、お年寄りが生活の中で楽しさを見いだせる場所をつくり出すことが、私の現在の目標です。

住民だれもが気がねなく立ち寄れる場所を目指し、まずは、お年寄りと障がいを持った人たちが一緒に作業をできる機会をつくりたいと思います。例えば、町内の「のぞみ福祉作業所」と一緒に、牛乳パックを原料とした「紙すき」で再生紙を一緒に作る、その方法は作業所の利用者から教えてもらう、ということを考えています。 そうしたことから交流が生まれ、お年寄りもお年寄り以外の住民も元気を取り戻す。いろいろな人と協力しながら、そんな将来をつくれたらと考えています。

2. 地元産品の販売・レストラン・体験で地域再生を

震災後、PWJは、経済復興を重視し、多様な支援を続けてきました。漁業や商店街の再生支援などに続き、2013年は、生態系の保全に取り組みながら雇用や地域再生を目指す取り組みをサポートしました。

「森が川を通じて豊かな海を育んでいる」との考えのもと、宮城県気仙沼市周辺の大川流域を舞台に、この取り組みを進めているのが、NPOピースネイチャーラボ。首都圈のカフェのレジ横での直販と、オンラインショップ「森里海工房」の2つのルートで地元産品を販売。主力商品は、独特の食感を持ち、地元の浜で手拾いされたクルミなどを使った「森のクッティー」と、大川流域のめぐみで育ったという力キの燻製です。

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写真左:レストラン内部のイメージ、写真右:海側から見たレストランのイメージ

ピースネイチャーラボが2014年4月中にも仮オープンさせるレストランでは、地元の森里海の幸を活用し、地元料理はもちろん、世界の漁師料理や郷土料理もメニューに加える計画です。その後、体験型のプログラムも計画しています。

※この事業は、みなさまからのご寄付のほか、JTI Foundationの協力も得て実施しています,

3. 「ふるさと学習会」から「わらすこ探検隊」へ -子ども支援も息長く-

コミュニティの再生を将来担うことになる子どもたちに、地域のよさを知ってもらい、さらに地域の外にも目を向けてもらおうと、PWJは2012年6月から南三陸町で子どもたちを対象とした講座をサポートしてきました。実施回数は通算で50回を超え、PWJは今後も支援を続けます。

この取り組みは「南三陸町アフタースクール事業」として始め、その後、「ふるさと学習会」として実施してきました。2013年5月からは一般社団法人南三陸町復興推進ネットワークが企画・運営の主体となり、9月からは名称も「わらすこ探検隊」 (わらすこは、地元の言葉で「子ども」)に変わりました。

「息の長い支援をしたい」「子どもたちのために、もっとできることがあるのではないか」という思いを持って、復興支援にかかわっていただいている企業・団体の方にもご協力いただき、「企業先生」として請師を務めるなどしていただいています。

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写真左:富士通株式会社アメリカンフットボール部の協力もいただいたデイキャンプ
写真右:三井化学株式会社「ふしぎ探検隊」の協力をいただいた「ふしぎ化学実験」

震災後、運動場や公園などには仮設住宅が建設され、各地でかさ上げ工事も進んでいるため、子どもたちが思い切り走り回る機会も減っています。そのため、専門的な知識や科学、デ、ザインを体験しながら学ぶ’ものに加えて、スポーツ選手と一緒に体を動かしてもらうような企画も取り入れています。

※この事業は、みなさまからのご寄付のほか、ジャパン・プラットフォームの協力も得て実施しています,

4.地域復興へきめ細かい支援

「被害を繰り返すまい」と震災記録誌の制作を支援
PWJが、岩手県陸前高田市広田町の自主防災会とともに制作に取リ組んできた震災記録誌「広田の未来(あした)に光あれ-平成23年3月11日平成三陸大津波 広田町の記録」が2013年9月に完成しました。震災当日から避難生活までの間の状況や取り組みを詳しく紹介し、同田]内全戸に配布したほか、戸羽太市長にも直接、贈呈しました。

出漁時の安全と防犯のため被災漁港へ照明設備
宮城県南三陸町歌津地区では震災ですべての漁港が被災しました。早暁の出漁時の安全確保や密漁対策につながる照明設備がいまだに不足している漁港もあり、漁業・経済復興にも影を落としています。PWJは姉妹団体ピースウィンズ・アメリカとともに被災漁港にソーラ一街灯を設置します(2014年3月完成予定)。

民間救急へリのテイクオフを支援
大災害時、道路が分断されても孤立した人の救助などができるよう、宮城県気イ山沼市内に現地事務所を置き、平時には緊急搬送ヘリコプターを運航するN POオールラウンドヘリコプターの取り組みをサポートしました。格納庫建設を支援したほか、フォークリフトや夜間灯火設備などの資機材を提供しました。

地域活性化へ連続イベントで交流の輪を拡大
交流を広げ、地域の魅力を再発見することで活性化を目指そうと、N POあすわと共同で連続イベント「リアスワールド」を開催しました。「遊び」「体験」「食」など、5つのカテゴリーで、20のイベントを実施。のべ200人以上の参加がぁりました。 PWJの山本理夏も途上国の生活を子供たちに伝えました。

被災のまちにソーラ一街灯で安全・安心と希望を
宮城県南三陸町では、通学路や緊急時の避難路に街灯が設置できず、原発事故の被害を受けた福島県浪江町では、日没後の電気が灯リません。南三陸町では住民の安全確保のため、浪江町では住民リ帯還への希望を込めて、計61 本のソーラ一街灯を設置します(2014年3月完成予定)。

福島で被災した犬・猫の保護、飼育を支援
震災では、多くの犬や猫も痛手を負いました。とくに原発事故に見舞われた福島では、飼育が困難になった犬・猫が多くいます。 PWJは、一般社団法人ふくしまプロジェクト、NPO犬猫みなしご救援隊と連携しながら、福島県と広島県で被災犬・描の保護や飼育、動物愛護のための一啓発活動をサポートしています。

▼関連リンク
震災3年:お礼ならびに2013年の活動・会計報告

・東北での現地活動ルポ
高齢者らが集い活動する場を再び(2014.1.10)
地元の産品、販売・レストラン・体験で地域再生を支援(2013.12.27)
コミュニティ再生は子どもから:ふるさと学習会に込めた思い(2013.8.28)
50回を超えた「ふるさと学習会」 南三陸にしっかり定着(2013.7.18)
気仙沼・唐桑「リアスワールド」終了:交流から生まれるコミュニティの可能性(2013.11.13)
唐桑の魅力を体感するイベント「リアスワールド」にかける思い(2013.7.23)
夏休み、気仙沼・唐桑で、地元の達人たちと地域の魅力を連続体験(2013.7.8)
「被害を繰り返すまい」-陸前高田市広田町の震災記録誌が完成(2013.11.6)
震災の記録づくり ―広田町の記録―
民間救急ヘリのテイクオフを支援!(2013.11.21)
福島で被災した犬や猫を保護・飼育(2014.2.21)

PWJ東日本大震災復興支援報告2013(日本語、PDF)
レイアウト協力:種村京子

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