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南スーダンの現地活動ルポ

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【南スーダン】難民たちに安心して生きる権利を ―カクマ難民キャンプの住居支援―

2017.9.15

コンクリートの床に横たわる赤ん坊。その近くにはハエが飛び交っている。悪臭が鼻をつく。赤ん坊が息をしているのか、思わず不安がよぎった。目の前にある光景は、本当に私が生きている「今」なのか。そんな感覚から、しばらく離れられませんでした。

ここは、難民が一時的に身を寄せる「トランジットセンター」。小学校の教室くらいの大きさの建物内で、住宅が提供されるのを待つ多くの女性や子どもがいました。この夏、ケニア北西部、南スーダンとの国境にあるカクマ難民キャンプを訪問した時のことです。

開設25年になるカクマ難民キャンプでは現在、14万人以上の難民が生活しています。南スーダン難民をはじめ、様々な国から難民が逃れてきています。米国映画「グッド・ライ~いちばん優しい嘘~」の舞台になった難民キャンプとしても知られています。一方、周辺は難民の増加とキャンプの長期化を受け、自立した生活を送るための「カロベエイ居住地区」も開設されました。私たちピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、カクマとカロベエイの両方で、難民たちが安心して暮らせるように住宅を提供する支援を行っています。

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【写真説明】PWJが支援したシェルター

今回私が訪問した際、トランジットセンターでは600家族以上が住宅の提供を待っていました。センター内に入りきれないほどの数でした。赤道に近い国ケニア。私が行った時期は雨期で涼しいほうだ、と言われましたが、私にとっては、数十分も外にとどまることができないほど日差しが強烈に感じました。現地ではそんな環境下、3千人近い人々が狭い空間で生活しています。特にトイレは地面に穴を掘っただけの簡易なものを使っているため。コレラが蔓延する恐れもあります。

多くの難民は自国から数日間歩き続け、ここにたどり着いたと言います。そして、さらに1か月以上住宅が提供されるのを待つ人もいます。彼らの不安や疲労を思うと、私が暮らす「世界」との落差に驚き、目の前の事実をすぐにはのみ込めませんでした。
風雨をしのぐ。プライバシーを確保する。安心して眠る。世界のどこに生まれようと、安心して生きる権利は誰にでもあります。私たちが取り組んでいる住宅支援はまさに、彼らのそうした権利を少しでも取り戻すための活動の一つです。長引く南スーダンの内戦のせいで、難民の数にいまだ歯止めがかかりませんが、一人でも多くに支援の手が行き届くよう、最大限の努力を続けたいと思います。


【写真説明】カメラにポーズをとる難民キャンプの子どもたち

アフリカ事業担当 田中佑依

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