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フィリピンの現地活動ルポ

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【フィリピン中部台風被災者支援】レイテ島で保育園の修復と学用品配布を完了

2014.7.24

屈託のない笑顔を浮かべた子どもたちが、少し大きめの青いリュックサックを背負って、教室から出てきます。これは、2013年11月にフィリピン中部を襲った台風30号(英語名:ハイエン、現地名:ヨランダ)で、壊滅的な被害を受けた後、ピースウィンズ・ジャパン(以下PWJ)が修復したレイテ島カリガラ町の保育園2園の現在の様子です。

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                        保育園から出てくる園児と保護者

被災後、両保育園の状況は深刻でした。校舎のトタン屋根は吹き飛ばされ、屋内にあった本などの教材も濡れて使えなくなってしまい、授業は2か月ほど中断を余儀なくされました。園児の家庭は、自宅が損壊し、また保護者が失業して保育園の費用も賄えなくなってしまったところも少なくありませんでした。

フィリピン台風被災者支援
台風で屋根が吹き飛んだカリガラ町保育園

PWJは、2014年1月から同町で住宅修復支援を行っており、被災した保育園の中でも特に被害が甚大で、現地行政区が修復を行える見込みのないカリガラ町保育園およびバイバイ地区保育園の校舎を修復しました。修復工事が始まった3月には、カリガラ町保育園は町内の別の施設を間借りして、またバイバイ地区保育園は屋根の剥がれてしまった部分にブルーシートをあてがい、授業を再開していました。修復工事では、次の台風にも対応できる安全な校舎で子どもたちが安心して教育を受けられるよう、強固な梁を巡らせ、屋根を頑丈にする工夫を施しました。

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写真左:ブルーシートで雨風をしのぐバイバイ地区保育園、写真右:同保育園の授業の様子

PWJスタッフは、こうした修復のための資材調達や定期的な進捗確認を行う一方で、6月に始まる新年度に合わせ、両園に通う園児180人分の学用品を寄贈することにしました。まずは、フィリピンのパートナー団体Citizens’ Disaster Response Center(以下、CDRC)の協力を得て、ノートやクレヨン、鉛筆などを現地の文房具店から購入。PWJの東北事業でお世話になった気仙沼市唐桑町の方や、東京の企業さんからいただいた多数の鉛筆も加えました。さらにCDRCとつながりのある出版社から、5教科、計900冊(180人分)の教科書を寄付していただきました。そして、これらを入れるバックパックについても、業者と幾度も交渉を重ね、子どもたちが長く使えるようにしっかりとした素材を選び、持ち手や外付けポケットなどの使い勝手にこだわって製作しました。

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園児に贈られた学用品セット(バッグ・筆箱・筆記用具・クレヨン・ノート・教科書等)

4月末日、ついに保育園が完成しました。町への引き渡し式が開かれ、PWJのイメージカラーであるブルーの屋根と日本を連想させる赤と白に塗られた外壁の新しい校舎に、保育園に通う園児と保護者などたくさんの人々が集まりました。式では、カリガラ町の副町長などからのスピーチ後、園児から歌のプレゼントがあり、最後に学用品が贈呈されました。

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写真左:保育園の引き渡し式に集まった園児や保護者ら、写真右:お礼に歌を披露する子どもたち

6月には新年度が始まり、園児の保護者からはこんな声が聞かれました。
「子どもは被災後のショックとトラウマで学校に行くのを嫌がっていましたが、今は快適な教室で勉強できるようになってまた意欲が出てきたようです。また、台風で職を失った家庭にとって、親の責任で学用品を揃えることは難しかったので、今回毎日使える学用品をもらえて、非常に助かりました。本当にどうもありがとうございます。」(シェリルさん、27歳)


写真左:修復が完了したカリガラ町保育園前にて園児・保護者・保育士らとPWJスタッフ。幼稚園の壁には主な支援者の方々のお名前を刻印した銘板(写真中央)を設置
写真右:“カリガラの希望である子どもたちのため”と書かれた掲示板

保育園の外壁に取り付けられた掲示板には、PWJや協力団体のCDRC、Leyte Center for Development(LCDE)の思いをこめて”For the Children, the Hope of Carigara(カリガラの希望である子どもたちのために)”と書かれています。子どもたちがのびのびと学べることは、家族や先生方などたくさんの大人たちの願いでもあります。被災に伴い、心の傷も受けたであろう子どもたちに、多くの方々のご支援のおかげで、安心して学べる機会と空間を提供できたことを心より御礼申し上げます。

※本事業は、200件以上の個人や団体から頂いたご寄付により実施しました。

報告:川井慧、奥村真知子(事業部)

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