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ケニアの現地活動ルポ

ケニアの現地活動ルポ

【ケニア】新たな国で定住を目指す難民たち ―地域住民と共存する「カロべエイ居住地区」でシェルター支援―

2018.1.4

「難民キャンプ」。
皆さんも、紛争や難民に関する話題で、よく見聞きするキーワードだと思います。ケニアのカクマ難民キャンプやダダーブ難民キャンプのように、開設から20~30年にわたっている例がありますが、定義としては、あくまで「一時的な避難場所」になります。受け入れ国側は「一時的」を前提にしているため、運営にかかる財政面の負担などから、キャンプの存在自体を問題視しているケースも少なくありません。

こうした事態を解消しようとできたのが、ケニアの「カロベエイ居住地区」です。約30km離れたカクマ難民キャンプの長期化や難民の増加(約14万人)に追い打ちをかけるように、隣国南スーダンの内戦による難民の流入が相次いだことを受けて、開設されました。主に、母国への帰還が難しい人たちが身を寄せており、2017年11月時点で約3万8000人が生活しています。「難民キャンプ」と大きく違う点は、従来の地域住民が、居住地区内の学校などを利用できることです。これは、難民が新しい国で定住するためには地域住民との共存が欠かせない、という考え方が根底にあります。同じ地域で暮らすのに、難民だけが支援を受けていては、公平性が保てません。元々暮らしていた地域住民たちも、貧しい生活を送っているケースがほとんどだからです。

私たちピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、ケニアでカクマ難民キャンプやダダーブ難民キャンプでの支援を続けてきましたが、2016年からカロベエイ居住地区でも支援を始めました。具体的には、難民たちの暮らしの拠点になるシェルターの建設です。

ベティーさんの暮らすシェルター(PWJが支援したもの)
PWJが支援したシェルター

私は普段、東京でアフリカ事業担当者として、外務省などへの事業申請業務を行っていますが、9月下旬、現場のニーズや事業の進捗を確かめるため、カロベエイ居住地区を訪ねました。印象に残った夫、娘と3人で暮らす南スーダン出身のベティさん(24)の話を簡単にご紹介します。彼女は一年前、ケニアに避難してきたそうです。現在は、支援団体にニーズを伝える取りまとめ役などを担っており、とてもしっかりした方でした。私と同世代のベティさんが、戦争を体験し、国を追われ、過酷な道のりをたどってきた、ということが信じられませんでした。今後の生活について尋ねると、「祖国に戻ることは考えていません。今は、その日をしのぐことだけで手いっぱいだけれど、なんとかなっています。今後も、銃声が聞こえない安心できる場所で暮らしたい」と話してくれました。彼女の目は、とても切実なものでした。

カロべエイでインテビューしたベティーさんとお子さんの写真
カロべエイでインテビューしたベティさんとお子さんの写真

今回の訪問では、難民たちが「安心」できる空間を提供することの重要さを、より強く実感する貴重な機会となりました。私たちPWJは今後も支援を継続し、一日でも早く、より多くの難民の方々の手に届くよう、活動していきます。

アフリカ事業本部担当 アレン キム

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