ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害、貧困などの脅威にさらされている人びとに対して海外国内問わず支援活動を行うNGOです。

特定非営利活動法人(認定NPO)ピースウィンズ・ジャパン
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イラクの現地活動ルポ

イラクの現地活動ルポ

【イラク】国内避難民増加で水不足の問題も~井戸掘削の支援実施~

2016.12.6

イラクでは現在、戦闘から逃れるために約311万人が避難し、そのうち約92万人がイラク北部クルド人自治区において避難生活を余儀なくされています。ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)はそうした国内避難民を対象に、教育、保健、水・衛生、シェルター、生活物資配布などの支援を行っています。

イラク北部ドホーク州アクレ郡サスナ村においても、戦闘から逃れ、避難生活を送る国内避難民の数が過去2年間に渡って増え続け、同村ではもともと水の供給が不十分だったこともあり、水不足が深刻な問題となっていました。国内避難民の人々は週数回、巡回している給水車から水を買うか、地元住民に分けてもらうなどして過ごしていましたが、生活に必要な量の水を確保することが非常に困難な状態でした。

このような状況を受け、PWJでは同村における水不足の問題を解消し、日常生活を営むに十分な量の安全な水を提供するため、井戸とそれに付随する給水網の整備事業を実施しました。

井戸建設は次のようなプロセスで行われます。
➀井戸建設予定地で、井戸掘削が安全かつスムーズに進むよう、土地を整備して更地にすることから始めます。次に土地を掘削し、メッキ状のパイプを埋め込みます。

イラクイラク

➁パイプを埋め込み、井戸の削掘作業が終わると、その後48時間かけて実際に水が出るかどうか、テストを行います。

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➂井戸をコンクリートブロックで囲み、安全に使えるように環境を整えます。ブロックの建物に扉を取り付けてペンキ塗りをし、井戸設備の完成です。井戸が新設されたことでサスナ村への水の供給量が増しました。井戸でくみ上げられた水は、同じく本事業で新設した給水網を通してサスナ村まで届けられ、給水パイプを通し、各世帯へ届けられます。

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➃最後に、住民が本事業について知ることができるよう、サスナ村沿いの道に看板(下記写真)を立て、英語、クルド語、アラビア語でどのような工事を行ったかわかるようにしています。

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~村に住むハディジャさんの話~
「2014年に『イスラム国』による攻撃を受け、モスル近くの村から、夫、義理の母、3人の娘と2人の息子とともにサスナ村へ逃げてきました。当時借家に住んでいましたが、水不足は深刻で、週に3回、給水車から水を買うしかありませんでした。しかし、水を買うにも値段は高く、経済的に苦しかったため、村の住民から水を分けてもらうなどしてこれまで過ごしてきました。何度も村を離れることも考えましたが、ほかに行く当てもありませんでした。でも、今はその心配はありません。PWJの支援で、毎日の生活に必要な量の水を得ることができるようになりました」

~村に住むワファアさん(38歳)の話~
「私は2年前、夫、子ども、私の姉妹の家族と義母のあわせて14人という大家族で、サスナ村に逃げてきました。私たちと同様に多くの人々がこの村へ逃げてくるため、村の人口は増え続け、水の需要も増えていく一方でした。そのため、水不足は深刻で、国内避難民の家族は、給水車から水を買うか、近くのモスクから水を分けてもらうなどする必要がありました。それでも量は限られています。3日以上シャワーを浴びることができなかったり、夏場は特に暑かったため、水不足は大きな問題でした。しかし、PWJが井戸を掘ってくれたおかげで今はモスクに水をもらいに行く必要はありません。近所の住民に水をもらう必要もありません。今は毎日、十分な量の水を得ることができるようになりました」

PWJはイラク国内避難民、そして彼らを受け入れる地域の人びとの生活を改善し、さらなる生活の質の向上のために、今後も支援を継続していきます。引き続き、みなさまからの温かいご支援を、どうぞ宜しくお願い致します。

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サスナ村に逃げてきた国内避難民の家族の話を聞くPWJスタッフ(左から2番目と3番目)

※本事業は、みなさまからのご寄付のほか、ジャパンプラットホームからの助成金により実施しています。

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