アジアで一番新しい国、東ティモール。

One Coin
※2013年4月IMF発表

なぜ、コーヒーが国を平和にするのか?

インドネシアの東側、2002年に独立した東ティモール。

ポルトガルの植民地、インドネシアの強制併合を経て
独立を果たしましたが、あれから10年が経った今も、
米、トウモロコシなど主食にあたる食物をはじめとする
多くの物資を輸入に頼り、国の基盤もまだまだ脆弱です。
(国の主な収入は、石油や天然ガスなどの輸出。
でも近い将来、枯渇する可能性が高いといわれています)

東ティモール

4人に1人の生計を支えるコーヒー産業。

この国の主産業は農業です。 その中でもコーヒーは唯一の
換金作物であり、国民の4人に1人がコーヒーで生計を立てています。
これまではコーヒーの品質が悪いため、安い価格でしか売れず、
人びとは貧困のスパイラルから抜け出せていませんでした。

※2011年7月12日東ティモール政府が発表
「戦略開発計画(Strategic Development Plan, SDP)」参照

コーヒー産業

コーヒー生産・加工技術を支援。

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、
2003年から東ティモールのコーヒー生産者に対する支援を
続けています。良質のコーヒー生産・加工技術の指導を通じて、
多くの困難に直面してきた東ティモールの人びとの状況を
少しずつですが、変えつつあります。

コーヒー生産

高品質のコーヒー豆

高品質のコーヒー豆

人びとの暮らしが良くなり、国が持続可能な発展をするために。

私たちがこれまでの支援で実現してきたこと

アニータさんの例
質の良いコーヒー豆を生産して、収入アップ。5人の子どもに教育を。

コーヒー生産者のアニータさん(35)は
2年前に夫を亡くし、1人で子ども5人を育てながら
コーヒーづくりを続けていましたが
当時のコーヒーの買い取り価格は安く、収入が低かったので、
子どもたちを学校に行かせることができませんでした。

しかし、PWJが技術支援を始めてから、質の高い豆を作れるようになり
コーヒーを高い価格で買い取ってもらえるようになり、
今では5人の子ども全員を学校に通わせられるようになりました。
さらに2012年には、過去最高の質と量の豆を収穫でき、
収入は東ティモールの平均年収を越えることができました。

「私たちが作るコーヒーが遠い日本で美味しいと言って飲んで
もらっていると聞き、とても嬉しいです。これからもっと頑張って、
品質の高いコーヒーを作って、みなさんに喜んでもらいたいです。」
とアニータさんは語ります。

コーヒー生産者のアニータさん(35)

コーヒーの技術支援をはじめて10年、520家族、2600人の生活を支えています。

PWJは、2003年からコーヒーの技術支援を開始。
この10年でアニータさんのような生産者が、
520世帯に増えています。
いまでは、アニータさんのように
「日本の人たちに美味しいコーヒーを作りたい」と、
新たなやり甲斐を持って、
コーヒーづくりに励んでいる生産者がたくさんいます。

※受益者数:520世帯を1世帯あたり5人で計算

生産者の様子

コーヒー豆

コーヒー豆

多くの生産者を支えるためにこれから必要となる支援とは。

「収入は向上しましたが、まだ多くの生産者が苦しい生活を余儀なくされていなす。」

現地のスタッフであるアディーノ(38)は、こう語ります。
「高品質のコーヒーを作るため、新しい加工方法を習得し、
自分たちでできるようになりました。
2012年は過去最高の生産量・品質になり、生産者の収入は向上しました。
しかし、長い目で見た時には多くの課題があり、
さらに他の地域ではまだまだ多くの生産者が
苦しい生活を余儀なくされています。」

Adino 現地人スタッフ アディーノ Adino

「最終的な目的は現地の自立化。今はそのために必要なものを揃えたい。」

東ティモールのための本当の支援は、彼らが自分たちで
長期的に美味しいコーヒーを作り続けられること。
私たちはそれを目標に、生産量アップ、品質アップのための
技術支援をなどを行っています。
これまでは、フェアトレードコーヒーを日本で販売することが
メインでしたが、今後は、東ティモールの人びとに、
東ティモールのコーヒーが美味しいことを知ってもらうため、
国内での販売を開始しました。
そのための販売活動や、生産した豆を焙煎する技術に
必要な環境が揃っていません。
そんな状況を改善するためにも、コーヒーを買う以外に、
長期的な支援が必要なのです。

Nagai 現地日本人スタッフ Nagai